クリアな音声で通話ができる技術として、現在大手携帯キャリアでは当然のように利用されている音声通信技術がVoLTEと呼ばれる技術です。
VoLTEは特に頻繁に音声通話をする人や年配の方などに欠かせない機能となっているのですが、格安SIMではVoLTEは利用できるのでしょうか。
格安SIMは大手携帯キャリアと比べると通信速度が遅いため、VoLTEが利用できないのではないかと考える人も少なくありません。
格安SIMでのVoLTEの利用の可否や、もしも利用できるのであれば利用の際にはどのようなことに気をつければよいのか、VoLTEが利用するのにおすすめの格安SIMは何なのかなどを解説していきます。
目次
そもそもVoLTEって?音声がクリアな秘密を解説!
携帯電話で通話をする際、従来のシステムでは3G回線を利用していました。
従来型の3G回線ではなく、4G回線、つまりLTE回線を利用した新しい通話システムのことをVoLTEといいます。
3G回線を利用した通話システムと比較すると、VoLTEはより高速回線を利用している点、そしてキャッチできる周波数がより高音域まで対応している点に大きな特徴があります。
高い音域に対応したことで、くぐもった声や低い声も聞き取りやすくなりましたし、高速データ通信を利用しているので、音声の遅延がない点や発着信がスピーディーという強みもあります。
実際に3G回線を利用した携帯電話の場合、発信ボタンを押してから相手と通話できるようになるまで最短でも7秒程度待つ必要がありました。
一方でVoLTEでは最短で3秒程度で通話ができるようになったので、頻繁に電話をかける人には特にメリットが大きいと考えられます。
LTE回線を利用した通話サービスではLINEの無料通話などを思い浮かべる人が多いでしょうし、LINEの無料通話は回線が不安定な場合には遅延などが発生することから、VoLTEの品質安定性を心配する人もいるでしょう。
しかしVoLTEでは帯域保証があるため、通信が不安定になったからと言って、通話が途切れてしまう危険性が殆どありません。
従来型の通話システムと同程度の安定性を誇りながら、クリアで高速な通話ができる通話システムなのです。
格安SIMでVoLTEは利用できる?利用時の注意点は?
結論から申し上げますと、格安SIMは大手携帯キャリアと同じ回線を利用しているため、VoLTEを利用した音声発着信は可能です。しかしどんなケースでも絶対にVoLTEが利用できるかというとそうではなく、VoLTEを利用するためには幾つかの条件を満たす必要があります。
格安SIMでVoLTEを利用するための注意点などを確認していきましょう。
VoLTE対応端末を使う
VoLTEを利用するための絶対条件としてまず挙げられるのが、発信側・着信側共にLTE通信ができるエリアにいて、VoLTE対応端末を利用することです。現在では国内のほとんどのエリアがLTE通信に対応しているので、エリアに関しては特に心配する必要がありませんが、たとえ自分がVoLTE対応端末を使っていても相手がガラケーなどのVoLTE対応端末を使っていない場合には、VoLTEは利用できないことを覚えておきましょう。
回線のキャリアを合わせる
VoLTEを利用するための特に重要なもう一つの前提条件が、回線のキャリアを合わせることです。VoLTEはドコモ回線同士やau回線同士など、キャリアが一致していれば利用できますが、ドコモ回線からau回線にかけた場合など、キャリアが一致していない場合には利用ができません。
格安SIMでいいますと、mineoのドコモプランからmineoのドコモプランにかけた場合にはVoLTEは利用できますが、mineoのドコモプランからmineoのauプランにかけた場合にはVoLTEは利用できないことを理解しておきましょう。
au系の格安SIMは特別な注意が必要
格安SIMでVoLTEを利用する場合、ドコモ回線やソフトバンク回線を利用したプランの場合、特にSIMの種別などに気をつける必要はありませんが、au回線を利用したプランの場合、SIMの種別に気をつける必要があります。au回線の格安SIMにはVoLTE非対応のSIMとVoLTE対応のSIMがあり、VoLTEを利用したい場合にはVoLTE対応のSIMを選ぶ必要があります。
mineoを例に挙げますと、VoLTEを利用したい場合には契約時に「au VoLTE対応SIM」を選ぶ必要があります。
VoLTE対応SIMはMVNOによっては「マルチSIM」などと呼ばれることもあります。
au回線の格安SIMを利用するにはくれぐれも気をつけて選びましょう。
VoLTEの疑問点や質問をQ&A方式でまとめてみた
VoLTEのことは分かったけれど、実際に使うときに「VoLTEに繋がってるの?」「SIMを挿したのにVoLTEにならない」などのトラブルは避けたいですよね。今回は、Q&A方式で皆さんの悩みを3つ紹介し、対策などを解説していきます。
- (Q)SIMフリースマートフォンに音声通話SIMを2枚挿して使いたいけど2枚ともVoLTEで通話することはできるの?
(A)SIMフリースマートフォンに2枚の音声通話SIMを挿してVoLTE通話を行うことは可能ですが、注意点があります。
それはDSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)に対応したスマートフォンではなく、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応した端末を準備する必要があることです。
DSDS端末は1枚のSIMをVoLTEで接続し、もう1枚のSIMは3G接続で繋がるようになっているため、2枚同時にVoLTEで待機することができないので注意が必要です! - (Q)2015年5月?以降発売のdocomoのvolte対応端末のsimロックを解除すれば、UQmobileがマルチsimで使用できるという解釈でいいのでしょうか?
(A)残念ながら機種によって使える場合と、使えない場合があります。
よく、SIMロックを解除すれば他社のSIMを挿して、通信ができると聞きますが、実はそれだけでは通信ができない場合があります。
それはキャリアによって使用している電波の周波数が違うため、使用したいキャリアの周波数に対応していないと、いくらSIMロックを解除しても使えないからです。 - (Q)iPhone8のau版はsimロック解除をしないと格安sim(mineo)では使えないのですか?
(A)auのiPhone8をmineoで使うのにSIMロック解除は必要ありません。
mineoだけでなく、au回線利用の格安SIMでは、2017年8月1日以降に発売されたVoLTE対応端末はAndroidも含めSIMロック解除しなくても使えるようになっています。
そのため、2017年9月22日発売のauのiPhone8はmineoで使うのにSIMロック解除は必要ありません。
mineo 動作確認済み端末検索はこちらから行えます。
VoLTEが利用できるおすすめの格安SIM
格安SIMで快適にVoLTEを利用するために重要となるのが、通信速度の安定性です。VoLTEはLTE回線を利用するため、LTEの通信速度が遅い場合には快適に通話ができなくなる恐れがあります。
「通信速度の安定性」を第一に考慮して、快適にVoLTEが利用できるおすすめの格安SIM会社2社を紹介します。
Y!mobile
VoLTE向きの格安SIM会社として真っ先におすすめできるのが、Y!mobileです。Y!mobileは自社回線とソフトバンク回線の2回線を利用しているので通信速度・通信安定性共に格安SIMの中では最高クラスですし、対応エリアも広いので快適にVoLTEが利用できます。
UQ mobile
Y!mobileと並んでVoLTE向きの格安SIMと言えるのがauのサブブランドであるUQ mobileです。UQ mobileも格安SIMの中では通信速度が最速クラスですし、実店舗数も多いので何かあった時の安心感もあります。
またデータ容量が無制限のプランもあるので、ヘビーユーザーであればこちらのプランを選んでおけば絶対的に安心してVoLTEが利用できます。
まとめ
格安SIMは大手携帯キャリアと同じ通信回線を利用しているので、発着信側共にVoLTE対応端末を利用していれば、基本的に問題なくVoLTEが利用できます。但し、au回線の格安SIMでは例外的にVoLTEが利用できない種別のSIMがありますし、VoLTEが利用できない種別のSIMは、SIMロック解除ができないau製のiPhone6がそのまま利用できる等、独自の強みがあります。
ドコモ系の格安SIMやソフトバンク系の格安SIMでは特別な注意は要りませんが、au系の格安SIMユーザーは気をつけてプラン・端末選びをしたいですね。