SIMには大きく分けて通話SIMとデータSIMの2種類に別れています。通話ができるかできないかの違いなのですが、データSIMでもIP電話サービスを使用することで通話ができるようになります。今回は、そのIP電話について解説していきます。 まず、通話SIMとデータSIMの違いが分からない方は先に下の記事をご覧ください。
目次
IP電話の050ならデータSIMでも通話ができるの?
まず結論からお話しますと、IP電話の050を使えばデータSIMでも通話をすることができます。
特にLINE電話のようなサービスと違いIP電話は自分の番号が持てるので、
090などの番号との通話も可能な点がメリットと言えます。
一方で、
普通の電話番号であればできることがIP電話であるとできなかったりと、
デメリットもあるので、その点も含めて今回の記事では解説していきます!!
IP電話とは?
IP電話とは、インターネット回線を利用した通話サービスのことを言い、主にインターネットプロバイダーが提供しています。IP電話はインターネットプロトコルという技術を利用し、IPネットワーク上で音声を届ける仕組みを構築しています。
通常の電話線の代わりにVoLPゲートウェイと呼ばれる装置を利用し、音声をデジタル化した音声パケットをつくります。
そして、VoLPゲートウェイが音声パケットを通話相手に送信し、音声パケットは、ルーターを通して通話相手に届けられます。
その後、相手側のVoIPゲートウェイへ届いた音声パケットが再構成され、その情報が電話機へ送られ、ようやく音声として聞こえるようになるのです。
非常に難しい仕組みで技術的な説明になってしまいましたが、この仕組みまでは理解する必要はありません。
簡単にまとめると、「音声をデジタル化し、インターネットを利用して相手に送る。そして、相手側で音声を再現する。」というものになります。 090や080などから始まる携帯電話番号や市外局番から始まる固定電話番号は、電話回線を利用しているため通話品質が安定していますが、インターネット回線を利用する050電話(IP電話)の通話品質はやや不安定になることがあります。 ただ、050電話(IP電話)を上手く利用することで毎月の通話料を大幅に抑えることができます。
IP電話のメリットは?
通話料金が安い
IP電話はインターネットを使用した電話となります。そのため、国内・国外のどこへ電話しても一律の電話料金となります。
固定回線は、地域によって交換局と呼ばれる施設が設置されていて、そこを通過するたびに料金が発生しています。ですから、市内局番があったり距離によって料金に違いが出てくるのです。
一方、インターネットは世界中の人が共通に使えるものなので交換機を使わずに直接、相手と電話をすることができます。
そのため、固定電話や携帯電話回線とは違った仕組みとなりコストを抑えることができ安い通話料金を実現しています。
基本料金が安い
先ほど紹介しましたが、通話料金と同様に基本料金も安くなります。docomoなどの大手通信キャリアの基本料金は2000円ほどです。
また、格安SIMでは月に600円ほどの音声通話をするために料金が上乗せされます。
しかし、格安SIMの回線を利用したIP電話サービスの多くは基本料金が無料となっています。
そのため、通話をした分だけの料金が支払えば良いので無駄が無くトータルの料金もかなり安くなります。
特定の電話番号がもらえる
主に、「050」ではじまる電話番号を取得することができます。 電話料金が安くてもLINE電話のように実際の電話番号がないと困る場合が多いです。しかし、IP電話は自分の電話番号を取得できるので電話番号を人に伝えることもでき、使い勝手としては通常の090や080の電話番号と変わりありません。
IP電話のデメリットは?
通話の音質が悪い場合がある
先ほどの紹介したようにIP電話はインターネットを使用した通話となっています。 普段、インターネットを利用していても通信速度が遅いときがありますよね? それと同じようなことが通話でも起きる可能性があります。データが使われてしまう
スマートフォンでアプリを使用するとデータ容量が使用されます。 同様にIP電話でも通話時間に応じてデータが消費されます。 目安としては、1分間の通話で約250KBのデータが使われます。 この点が通常の音声通話とは異なるので注意が必要です。119・110・0120にかけられない
緊急通報は総務省が発信できる機器を規則として定めています。 しかし、IP電話はその規則に該当しないため緊急通報を発信することができません。 同様に0120のフリーダイヤルにも発信することができません。SMSが使えない
最近ではIDとパスワードのみではなく、電話番号も使って認証を行う「2段階認証」というのもが普及してきています。設定にもよりますが、
Googleアカウントのログインにも2段階認証が導入されています。
心機一転、電話番号を放棄してIP電話に切り替えたものの、
今まで使っていたアカウントにログインできない
ということが起こる可能性もありますので、
そこがIP電話の大きなデメリット言えるかもしれません。
番号が引き継げない
IPで発行される電話番号を既存のものにすることはできません。また、
IP電話から普通の電話番号に変えるときも番号を引き継ぐことができません。
おすすめの使い方は「データSIM+SMS」と「IP電話」
ここまでの内容で、IP電話のメリット・デメリットがわかったと思いますが、
特にIP電話のSMSが使えないという点は大きなデメリット言えます。
そこでおすすめなのが、
データSIMの中でもSMSが使えるタイプのものです。
SMS付きのデータSIMについては別の記事で解説しているので、興味がある方はぜひそちらも参考にしてください!
050のIP電話が使える格安SIMは?
格安SIMで通話SIMではなくデータSIMを選択してもIP電話サービスを利用することでデータSIMでも音声通話をすることができます。そんなプランが用意されている格安SIMを紹介します。
イオンモバイル
イオンモバイルの050かけ放題の料金
格安SIMプラン | 月額料金 |
050かけ放題 | 1500円 |
イオンモバイルの050かけ放題の特徴
イオンモバイルの050かけ放題のプランでは「050」の電話番号を取得することができます。 このプランは月額1500円の定額で国内の固定・携帯・IP電話への通話が定額制になるものです。 他のIP電話サービスとは違い、定額制でかけ放題のプランのみを提供していることが特徴になっています。イオンモバイルについて詳しくはこちら
TONEモバイル
TONEモバイルは、基本プランにもともとIP電話が組み込まれていおり、電話回線を利用した090番号を使いたい場合は月額950円の「090音声オプション」に加入する必要があります。 そのため、090番号でなくても良い方は050番号を持つSIMの利用ができるようになっています。基本プランのIP電話はTONEモバイル同士なら通話料が無料で10分以内の国内通話が無料となる「TONE電話かけ放題オプション」は月額500円で加入することができます。TONEモバイルについて詳しくはこちら
どの格安SIMでも使えるIP電話サービス
050 plus
050plusの料金
基本料月額料金 | 300円 |
通話相手 | 通話時間 | 料金 |
・050 plus ・OCN ドットフォン ・OCN ドットフォン オフィス ・Phone IP Centrex 等 | – | 無料 |
一般の固定電話 | 3分 | 8円 |
国内の携帯 | 1分 | 16円 |
国際電話(アメリカ) | 1分 | 9円 |
国際電話(中国) | 1分 | 29円 |
050plusの特徴
050plusのみを単独で申し込むこともできますが、OCNモバイルONEのユーザーが050plusに申し込むと毎月150円のセット割引が適用されます。 050plusは「050」の電話番号が取得でき050plus同士なら通話料金が無料になるのが大きな特徴です。家族でこのプランに申し込めば家族間の通話が無料になるのでありがたいです。 また、NTT系の会社が運営するサービスのため通話品質が他のIP電話サービスより安定していると言う声も多く、知名度・利用者ともに多いです。LaLa Call
mineoを運営するケイ・オプティコムから提供されているIP電話サービスLaLa Call の料金
基本料月額料金 | 100円 |
通話相手 | 通話時間 | 料金 |
LaLa Call ビジネスLaLa Call eoひかり電話 | ー | 無料 |
携帯電話(国内) | 30秒 | 8円 |
PHS(国内) | 1分 | 20円 |
固定電話(国内) | 3分 | 8円 |
国際電話 | 1分 | アメリカ/6円 |
SMARTalk
楽天モバイルを運営する楽天コミュニケーションズから提供されているIP電話サービス 基本料月額料金 | 0円 |
通話相手 | 通話時間 | 料金 |
IP-Phone SMART 無料通話可能な050番号 | ー | 無料 |
携帯電話・PHS(国内) 固定電話(国内) 有料の050番号 | 30秒 | 8円 |
国際電話 | 30秒 | 8円 |