Samsungのスマートフォンに内蔵されているGame Optimizing Service(GOS:ゲーム最適化サービス)というシステムアプリによって多くのアプリにパフォーマンス制限が課されている可能性があると伝えられています。
Twitterユーザーの@GaryeonHan氏が、SamsungのGOS(ゲーム最適化サービス)が、ゲームのパフォーマンスを制限してゲーム体験を損なわせていると指摘し、パフォーマンス制限を課しているアプリは1万以上にも及ぶと明らかにしました。
また、対象のアプリはゲームだけでなくLINEやInstagram、Netflixなどゲームに関係のないアプリも多数含まれています。
一方、3DMark、Antutu、PCMark、GFXBench、GeekBench5などのベンチマークアプリはパフォーマンス制限のリストには含まれていません。
そこで、韓国のYouTuber 네모난꿈氏がベンチマークアプリ「3DMark」のパッケージ名(パッケージID)を人気ゲーム「原神」のパッケージ名に変更してベンチマークテストを実行しました。
通常のベンチマークではGOSが動作せず、最大スコアが測定されているのに対し、パッケージ名を変更してGOSに3DMarkを原神と誤認させてベンチマークを行ったところ、GOSが動作して性能が大幅に下がったことが報告されています。
つまり、GOS(ゲーム最適化サービス)はアプリのパッケージ名を判断して当該アプリの性能を調整していたとされています。(※パッケージ名とは、アプリごと決められた文字列のこと。)
発熱や省電力性のことを考慮した性能の最適化が必要なことは否定しませんが、GOSが本来の目的とは異なるゲーム以外のアプリにもパフォーマンス制限を課していたこと、そしてベンチマークアプリには制限を課していなかったことが悪意があるとしてユーザーから苦情が寄せられています。
そして、やっかいなのがGOSがシステムアプリであるため、特殊な方法を用いない限りアンインストールや無効化ができないとうことです。
現時点では本件に対するSamsungのコメントはありませんが、同社は内部調査を行っており、間もなく公式に声明を発表する予定であると内部情報が流出しています。
度々メーカーによるパフォーマンス制限が問題視されていますが、昨年にはOnePlusのパフォーマンス制限が判明し、ベンチマークアプリ「Geekbench」から削除される事案がありました。
その後、OnePlusはパフォーマンス制限を認め、OxygenOS 12へのアップデートにて同機能を有効にするか無効にするか選択できるようにすると発表しています。
Samsungにも同様にユーザーが任意でパフォーマンス制限の有効化または無効化を選択できるようにしてほしいところです。
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