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5G対応の新型BlackBerryは「幻」に。事業会社が廃業とプロジェクトの中止を正式に発表


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2022年2月19日、BlackBerryのライセンスを有するOnwardMobility社は、2022年中に発売予定としていた新型BlackBerryのプロジェクト中止を正式に発表しました。

2022年1月までは開発中だった5G対応の新型BlackBerry

BlackBerry 5G
スタートアップのOnwardMobilityは2020年8月19日にBlackBerryブランドの5G端末を設計・開発・販売する権利をBlackberryより取得したことを発表。
同社は、BlackBerryと台湾の鴻海精密工業と共同で5G対応の新製品を開発し、2021年にも発売する予定としていました。

しかし、2021年中に何のアナウンスもなくプロジェクトは頓挫したのかと思われていましたが、2022年1月8日に「we are not dead.(私たちは死んでいない)」と声明を述べ、プロジェクトは継続中であると発表しました。

新型BlackBerryのプロジェクト中止が発表

OnwardMobility社が新型BlackBerryを開発中であるという旨を発表した矢先、2022年1月31日にBlackBerry社は、特別目的会社 Catapult IP Innovationsと特許売却契約を締結し、モバイル関連の特許を6億ドル(約690億円)で売却したことを発表しました。

この特許売却の報道を受けて、OnwardMobility社のプロジェクトへの影響が懸念されていました。

そして、2月19日にOnwardMobility社は、改めて声明を発表し、5G対応の新型BlackBerryのプロジェクト中止を正式に明らかにしました。

OnwardMobilityを立ち上げて以来、多大なご支援を賜りましたことを心より感謝申し上げます。
ただし、OnwardMobilityが廃業し、物理キーボードを備えた超安全なスマートフォンの開発中止を発表したことは非常に悲しいことです。

私たちは、このプロジェクトに精力的に取り組んできたベテランの専門家のチームと、このプロジェクトを通して私たちを支えてくれた忠実なファンとパートナーの一人一人に非常に感謝しています。皆様と一緒に仕事をし、コメントやフィードバックを聞くことができて光栄です。

皆様のご支援、誠にありがとうございました。

https://www.onwardmobility.com/ (日本語訳)
どうやらBlackBerry社の特許売却はOnwardMobility社にとって寝耳に水の出来事だったようで、プロジェクトを中止せざるを得ない状況だったようです。

プロジェクトの頓挫に加えて、OnwardMobility社の廃業が発表された今、5G対応の新型BlackBerryの登場は幻となってしまいました。

今後、新型BlackBerryが発売される可能性は限りなくゼロに

BlackBerry社もモバイル関連の特許を売却したため、モバイル関連の事業を行うことはできず、現時点で新型BlackBerryを開発・販売する権利はCatapult IP Innovations社のみが有しています。

ただし、Catapult IP Innovations社はBlackBerry社との特許売却契約のために設立された特別目的会社(SPE)であり、Blackberry社に対する支払いのためにカナダの投資会社Third Eye Capital社などから条件付き貸付を受けており、多額の負債を抱えている状況です。
今後、同社はBlackberryの特許を侵害している企業に対して訴訟を起こすことでマネタイズを図ると見られており、同社がBlackberryの特許を活用して製品やサービスを提供する可能性は低いとされています。

OnwardMobilityが2020年にBlackBerryのライセンスを取得したことで、多くのファンはBlackBerryの復活に期待したことでしょう。しかし、残念ながらBlackBerryの復活は叶いませんでした。

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