「Samsung Galaxy S20+ 5G」は日本国内ではdocomo、auから販売されているSamsungのフラッグシップモデル。
auでは、9月上旬に、限定モデル「Galaxy S20+ 5G BTS Edition」も発売する予定です(予約の受付はすでに終了)。
以前はコンパクトモデルが人気でしたが、近年、GalaxyのSシリーズは、無印モデル(Galaxy S10、Galaxy S20)より、プラスモデル(Galaxy S10+、Galaxy S20+)の方が人気です。
事実、au Online Shopの売り上げランキング(集計期間不明)を見てみると、Galaxy S20 5G SCG01より、Galaxy S20+ 5G SCG02の方が売れていることがわかります。
一方、ドコモオンラインショップでは、2020年7月1日~7月31日の期間において、Galaxy S20シリーズのいずれの機種も10位圏外と非常に厳しい状況が続いています。
Galaxy S10シリーズでも、Galaxy S10+が先に完売していることから、プラスモデルの人気ぶりがわかります。
ただ、楽天モバイルでGalaxy S10(無印のみ)が販売されていることも関係しているかもしれません。
国内で販売されている「Galaxy S20+」のスペックは、SoCがSnapdragon 865、メモリが12GB、内蔵ストレージが128GBと、現時点では最高峰の性能です。
海外では、SamsungのSoC「Exynos 990」を搭載したモデルも販売されています。
Exynos 990搭載モデルとSnapdragon 865搭載モデルの違いは、SoC以外に、カメラのセンサーもあります。
今回、レビューに用いたGalaxy S20+(SM-G985F/DS)は、5G非対応のシンガポール版で、SoCがExynos 990、メモリが8GB、内蔵ストレージが128GBです。
国内モデルと仕様が異なりますのでご注意下さい。
この記事では、Galaxy S20+を実際に使ってみて感じた良い点・悪い点をレビューしていきます。
目次
- 1 Galaxy S20+ 5Gを3行でまとめると
- 2 Galaxy S20+ 5Gのスペック
- 3 Galaxy S20+ 5Gのパッケージと付属品
- 4 Galaxy S20+ 5Gのデザイン・外観をチェック
- 5 Galaxy S20+ 5Gの対応バンド(周波数)
- 6 Galaxy S20+ 5Gのディスプレイ
- 7 Galaxy S20+ 5Gの電池持ちを検証
- 8 Galaxy S20+ 5Gの画面内指紋認証と顔認証の認証精度・スピード
- 9 Galaxy S20+ 5Gの性能をチェック
- 10 Game Boosterでゲームパフォーマンスを向上
- 11 Galaxy S20+ 5Gで実際にPUBGをプレイしてみた
- 12 Galaxy S20+ 5Gのカメラ性能をチェック
- 13 【まとめ】Galaxy S20+ 5Gはどんな人にオススメか?
- 14 Galaxy S20+ 5Gの販売サイト
Galaxy S20+ 5Gを3行でまとめると
- Galaxy初、8K動画撮影に対応!
- Snapdragon 865を搭載した、Samsungのフラッグシップモデル!
- 120Hzのリフレッシュレート、防水・防塵、おサイフケータイ対応!
※ 8K動画撮影はGalaxy S20・Galaxy S20 Ultraも対応
Galaxy S20+ 5Gのスペック
詳しいスペックは下記の記事でご確認ください。Galaxy S20+ 5Gのパッケージと付属品
Galaxy S20+の外箱は他のGalaxyスマートフォン同様、紙製です。海外モデルのため、箱にキャリアロゴはありません。
今までGalaxyは外箱の中に内箱が入っている二重構造でしたが、Galaxy S20+ 5Gからは一重となり、環境にやさしくなりました。
付属品はAKGチューニングマイク付きイヤホン、イヤーチップ、SIM取り出しピン、ACアダプター、USB Type-Cケーブル、クリアケース(TPU製)、取扱説明書(3点)、保護フィルムが同封されています。
国内モデルには充電器は付属していませんのでご注意下さい。
保護フィルムは本体に貼付済みです。
また、Galaxy S20+からOTG対応USB変換アダプタが付属しなくなりました。
クリアケースは透明(青みがかっている)で柔らかい素材です。
Galaxy S20+ 5Gのデザイン・外観をチェック
Galaxy S20+は6.7インチの有機ELディスプレイを搭載しています。背面です。
今回、筆者が購入したGalaxy S20+のカラーは国内未発売の「コスミック ブラック」です。
auから販売されている「Galaxy S20 Ultra 5G SCG03」に採用されているカラーです。
「コスミック ブラック」は、iPhone 7シリーズの「ジェットブラック」に近く、ホコリ・指紋が非常に目立ちやすいです。
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Galaxy S20+ 5Gのカラーはdocomoが「コスミック グレー」、auが「クラウド ブルー」「コスミック グレー」「ビー.パープル」を扱っています。docomoは1色のみで、もう少し頑張ってもらいたいところです。
海外では、今回紹介している「コスミック ブラック」や「オーラ ブルー」など地域限定カラーも存在します。
続いて、Galaxy S20+の本体側面を見て行きましょう。
ディスプレイ面から見て右側側面には、音量ボタン、電源ボタンが配置されています。
カメラの出っ張りは目立ちますが、Galaxy S20 Ultraほどではありません。
Galaxy S20+はGalaxy Note10+からの乗り換えるに最適なスマートフォンですが、音量ボタン・電源ボタンの位置が左側面⇒右側面に変わるので慣れが必要です。
本体の左側側面には何も配置されてません。
本体の側面上部には、スピーカー、SIMカード・microSDカードスロットがあります。
Galaxy S20+は、IP68の防水・防塵に対応しているため、SIM / microSDカードトレイに防水用パッキンが付いています。
側面下部には、マイク、USB Type-C端子、スピーカーが搭載されています。
Galaxy S20+にはノッチがないため、上面・下面にスピーカーがあります。
Galaxy S20+ 5Gの対応バンド(周波数)
ドコモ版、au版のSamsung Galaxy S20+ 5G(SC-52A、SCG02)が対応するバンド(周波数)は以下の通りです。docomo | au | |
5G | n78/n79/n257 | n77/n78/n257 |
4G | B1/B3/B19/B21/B28/B42 | B1/B3/B18/B26/B28/B42 |
3G | B1/B6/B19 | B1 |
※ 【au】5Gのn77はソフトウェアアップデートにより対応します。
Galaxy S20+ 5GはGalaxy S20 5Gで非対応のミリ波(5Gのn257)に対応しています。
対応しているバンド(周波数)がそこまで多くないため、MVNO(格安SIM)で使用する場合は、docomo端末はdocomo回線を使用したMVNO、au端末はau回線を使用したMVNOで利用するのがおすすめです。
\ docomo・au・Softbankの回線が選べるmineo /
Galaxy S20+ 5Gのディスプレイ
Galaxy S20+ 5Gのディスプレイは6.7インチで解像度がQuad HD+の「Dynamic AMOLED 2X infinity-O Display」です。Galaxy S10 / Note10シリーズ( Lite版を除く)で搭載されていたディスプレイ「Dynamic AMOLED infinity-O Display」から大きく進化しました。
【改善された点】
- 発色が良くなる
- 炎天下で見やすくなる
- エッジの存在感がなくなる
- 高リフレッシュレート(120Hz)に対応
エッジの領域も狭くなったため、エッジディスプレイが苦手な方にもおすすめできます。
また、Galaxy Note10+からGalaxy S20+ に乗り換えてビックリしたことは、発色の良さです。
ゲームをプレイする方や動画を視聴する方には、Galaxy S20+が持ってこいです!!
Galaxy S20+ 5Gの電池持ちを検証
Galaxy S20+のバッテリー持ちを検証するため、電池残量が100%の状態からAnTuTuベンチマークを3回連続で行ったところ、電池残量が88%まで低下しました。20機種程度での測定値の平均が約90.5%であることを考えると、Galaxy S20+の電池持ちはやや悪いと言えます。
ただ、検証を行ったGalaxy S20+はExynos 990搭載機のため、日本で販売されるSnapdragon 865搭載のGalaxy S20+ 5Gはもう少し電池持ちは良いでしょう。
また、検証はディスプレイを高リフレッシュレート(120Hz)の設定で行っているため、標準リフレッシュレート(60Hz)に変更すれば、バッテリー持ちは良くなります。
PC MarkでもGalaxy S20+の電池持ちの検証を行いました。
結果は、6時間40分でした。
5時間55分で非常に電池持ちの悪い「Find X2 Pro」と比較するとGalaxy S20+の方がましです。
Galaxy S20+ 5Gの画面内指紋認証と顔認証の認証精度・スピード
ディスプレイ内指紋認証
Galaxy S20+は安全性が高い(と言われている)超音波式の画面内指紋認証に対応しています。指紋センサーはGalaxy S10シリーズと比べると、認証精度・速度ともにかなり改善され、認証に失敗することはほとんどありません。
ただ、OPPO Find X2 Proなど、光学式指紋認証システムを採用しているスマートフォンの方が認証速度において、優れていることが多いです。
メジャーな端末の指紋認証の速度を順に並べると・・・
Find X2 Pro ≧ Galaxy S20+ ≫ Galaxy Note10+ > Galaxy S10
となり、Galaxy S20+でかなり改善していることがわかります。
また、ガラスフィルムなど厚めのフィルムでは認証できないため、初期フィルムをそのまま使用することをおすすめします。
筆者は、Amazonで販売されている、指紋認証対応を謳ったガラスフィルムを購入しましたが、まったく認証しなかったので、購入予定の方は注意しましょう。
顔認証
Galaxy S20+の顔認証は、赤外線センサーを使用しない「2D顔認証」を採用しているため、セキュリティー面で不安はあるものの、認証速度は速いです。ただ、暗い場所での認証は失敗することが多いです。
Galaxy Note10+までは、散髪するだけで顔認証が使えなくなりましたが、Galaxy S20+では問題ありません。
また、眼鏡をしている方の場合、顔認証の設定は「メガネなし」「メガネあり」の2パターンを登録する必要があります。
筆者は裸眼で0.03(視力検査表で一番上のCも見えない)と視力が非常に悪いため、裸眼での登録に苦労します。
また、Galaxy S20+では、設定画面で、顔データを2つ(2人分)登録することや、「顔認証ロック解除」「ロック画面を維持」「認証速度を向上」「目が開いているときのみ認識」「画面を明るくする」といった項目の設定を行うことも可能です。
Galaxy S20+ 5Gの性能をチェック
ベンチマークでパフォーマンスを測定
AnTuTu(V8.3.4)
総合スコアは「503,680」
CPUスコアは「146,271」
GPUスコアは「214,126」
Exynos 990搭載モデルということもあり、スコアは低めです。
Snapdragon 865搭載したGalaxy S20+で測定すれば、530,000点程度は出るでしょう。
OPPO Find X2 Proは脅威の600,000点越えでした。
Geekbench 5
シングルコアは「883」
マルチコアは「2630」
Geekbench 5もOPPO Find X2 Proより低いスコアとなっています。
PC Mark for Android
Game Boosterでゲームパフォーマンスを向上
Game Boosterはプレイするゲームの使用パターンを学習し、ゲームごとにバッテリー使用可能時間、パフォーマンス、温度が適切になるよう最適化します。
Game Boosterがバッテリーの消費量を測定して、残りのバッテリーで起動中のゲームをどれだけプレイできるか概算しています。
電池残量やゲームプレイ可能時間も表示され、確認時は76%、4時間17分と表示されていました。
ただ、Galaxy S20 Ultraで確認した際は、64%、58分と表示されていたため、あまり当てにならない可能性があります。
その他に、ナビゲーションボタンや画面タッチのロック、画面キャプチャもできます。
また、任意のアプリを4つ(画像ではSamsungブラウザ、YouTube、電話、メッセージ)指定でき、ゲームを閉じずに、ポップアップ表示することも可能です。
Galaxy S20+ 5Gで実際にPUBGをプレイしてみた
グラフィックのクオリティを「HDR」、フレーム設定を「ウルトラ」に設定しても、ヌルサクな動作で快適にプレイできます。
Galaxy S20+ 5Gのカメラ性能をチェック
インカメラの仕様はGalaxy S20と同じです。
また、Galaxy Z FlipともF値以外は同じです。
ズームは、ハイブリッド光学ズームが3倍、デジタルズームが最大30倍まで対応しています。
Galaxy S20とGalaxy S20+のメインカメラの違いは深度測位カメラ(ToFカメラ)の有無です。
【深度測位(ToF)カメラとは・・・】
ToFはTime of Flight(飛行時間)の略です。
深度測位(ToF)カメラは、測域センサの一種で、被写体に対して照射したパルス光が反射して返ってくるまでの時間をもとに画素毎に距離を計測することで三次元的な情報を計測できるカメラです。
ただ、深度測位(ToF)カメラの有無による画質の違いを感じたことはほとんどありません。
しかし、深度測位カメラの有無の機種による差も経験したことがあるため、紹介します。
Galaxy Note10(ToFカメラ無し)とGalaxy Note10+(ToFカメラ有り)で撮り比べたときのことです。
Galaxy Note10 Galaxy Note10+
ToFカメラ非搭載のGalaxy Note10で撮影した写真の方が全体的に色が濃くハッキリ撮れています。
ToFカメラの影響によるものかは断定できませんが、画質の違いが出ることもあるということです。
また、Galaxy S20+では、カメラの新機能として、「シングルテイクモード」が搭載されました。
シングルテイクモードは、3~10秒の動画を1回撮影すると、AI(人工知能)が自動で最大14種類の写真や動画を作成するモードです。
写真 | 動画 |
①AIベストモーメント | ⑤オリジナル |
②ウルトラワイドショット | ⑥早送り |
③AIフィルター | ⑦バウンス(ブーメラン) |
④スマートクロップ |
「シングルテイクモード」は、たったの4ステップで撮影できます。
- カメラアプリを起動する。
- メニューオプションから「シングルテイク」を選択する。
- シャッターボタンをタップし、カメラを回してベストショットを撮影する。
- 撮影し終わったら、サムネイルのプレビューをタップする。
シャッターボタンを押すと動画の撮影が開始し、3~ 10 秒以内に自動で撮影が終了します。
ドロイド君を撮影したところ、オリジナル動画のほかに写真3種類と動画2種類をAIが自動で作成しました。
おすすめの作品には王冠マークが表示されます。
「シングルテイクモード」の発想は非常に良いものの、大事な瞬間を理想の形で撮影できていない可能性があることを考えると非常にリスキーに感じました。
また、Galaxy S20+では、Galaxy史上初となる8Kでの動画撮影に対応しました。
それでは、Galaxy S20+で実際に撮影した作例を紹介しながら、カメラの実力を検証していきます。
昼景を撮影
初めに、「超広角」と「等倍」で撮影した写真を比較します。Galaxy S20+は超広角カメラを搭載しているため、人間とほぼ同じ視野角まで撮影することができます。
「集合写真の時に全員収まらない」
「これ以上後ろに下がれない」
といったときに超広角モードは役に立ちます。
等倍
続いて、春に桜が満開のころに撮影した写真を紹介します。
等倍
10倍でも画質を落とさずに撮影したい方は、「Galaxy S20 Ultra」「OPPO Find X2 Pro」「OPPO Reno 10x Zoom」がおすすめです。
夜景を撮影
夜景モードは使わずに、通常モードでライトアップされた建物を撮影しました。続いて、夜の公園です。
手前には街灯があるので、明るく撮影できています。
アスレチックよりも奥は真っ暗でほとんど見えない状況のため、ノイズも見られます。
筆者の想像以上の仕上がりで、Galaxy S20 Ultraにも対抗できます。
OPPO Find X2 ProやGalaxy S20 Ultraでも同時に撮影しています。
気になる方は、下記の記事をご覧ください。
Galaxy S20+のカメラは、Galaxy S20 Ultraにはさすがに敵いませんが、カメラの性能と価格のバランスを考えると、Galaxy S20+に軍配が上がります。
【まとめ】Galaxy S20+ 5Gはどんな人にオススメか?
Galaxy S20+はこんな人におすすめです。- 防水・防塵性能を求める人
- おサイフケータイが必要な人
- ある程度、カメラ性能を求める人
- 大きくて発色の良いディスプレイを求める人
- Galaxy S20シリーズでどれにしようか迷っている人
- 少しでも出費を抑えたい人
- カメラは妥協したくない人
- コンパクトな端末を求めている人
Galaxy S20+ 5Gの販売サイト
docomo、auから販売されているGalaxy S20+ 5G(SC-52A / SCG02)は、キャリアショップ、オンラインストア、家電量販店、併売店、Galaxy Harajukuなどで販売されています。また、docomo、auでの販売価格は以下の通りになります。
キャリア | モデル | 価格(税込) |
docomo | Galaxy S20+ 5G(SC-52A) | 114,840円 |
au | Galaxy S20+ 5G(SCG02) | 133,280円 |
Galaxy S20+ 5G BTS Edition(SCG02) | 145,255円 |