台湾TSMCがHUAWEIとの取引再開を求めて米国商務省にライセンスを申請した結果、一部条件付きで許可されたことが明らかになりました。
米国による禁輸措置により、台湾半導体ファウンドリのTSMCはHUAWEIへのチップ供給を停止し、2020年9月15日以降HUAWEIへの新規出荷を停止していました。
HUAWEIは、同社のスマートフォンに搭載されるSoC「Kirin」を製造してきたTSMCとの取引停止により、新たにKirinを製造することができません。
一方、TSMCにとってもスマートフォンメーカー大手HUAWEIとの取引が断たれるのは痛手です。
しかし、TSMCはHUAWEIとの取引再開を求めて米国商務省にライセンスを申請したところ、許可されたことが明らかになりました。
ただ、安全保障上の問題から取引再開に際して条件が付けられたとのことです。
その条件とは、高度なプロセスノードを使用して製造してはいけないというもの。
ライセンス対象外となる高度なプロセスノードには16nm、10nm、7nm、5nmプロセスで製造されたチップを含んでいるとのこと。
したがって、TSMCがHUAWEIに供給できるのは28nmプロセス以上で製造されたチップとなります。
(※HUAWEIが2020年10月22日に発表予定の最新フラグシップ機 Mate 40シリーズに搭載されるKirin 9000は5nmプロセス製造、
Snapdragon 865は7nmプロセス製造、iPhone 11搭載のA13は7nmプロセス製造です。)
では、28nmプロセスで製造できるSoCとはどんな性能なのでしょうか。
2015年、日本発売のHUAWEI Mate Sに搭載されたKirin 935が28nmプロセス製造。
2013年にQualcommが発表したSnapdragon 800が28nmプロセス製造、Antutuスコアは約4万点となります。
したがって、TSMCはHUAWEIとの一部取引再開が認められたものの、HUAWEI側も2020年現在に28nmプロセス製造のSoCを搭載するスマートフォンを発表するわけもなく、従来どおり取引することはできません。
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