台湾半導体メーカーのMediaTekは、これまでローエンド~ミドルレンジの低価格帯のSoCに注力することでシェアを伸ばしていまいしたが、今後はハイエンド市場に本格的に参入する模様です。
台湾経済日報が19日報じたところによると、MediaTekは台湾の半導体ファウンドリーTSMCに4nmおよび3nmプロセスで製造されるハイエンドSoCの注文を行ったようです。
同社、現行のハイエンドSoC「Dimensity 1200」はTSMCの6nmプロセスで製造されており、次は5nmプロセスかと思われていましたが5nmをスキップして4nmプロセスで製造されるSoCの開発を進めているとのこと。
また、著名リーカーの数码闲聊站 氏は上記とは別の情報源として、MediaTekは4nmチップを2021年第4四半期または2022年初めに大量生産する予定であると伝えています。
競合のQualcommのハイエンドSoC「Snapdragon 888」は5nmプロセスで製造されており、これまでのリーク情報では2021年末に発表予定の次期ハイエンドSoCも5nmプロセスが採用され、2022年末にようやく4nmプロセスのSnapdragonが発表されるとしています。
これまでQualcommとMediaTekにはプロセスルールに1世代分と差がありましたが、2022年にはMediaTekがQualcommに追いつく、または追い越すかたちとなりそうです。
ただし、懸念点も。
台湾経済日報は、これまでのMediaTek製SoCの平均単価が30ドル(約3,200円)~35ドル(3,800円)であったのに対し、4nmプロセスで製造されるMediaTek製SoCは80ドル(約8,600円)を超える単価になるとしています。
つまり、同SoCを搭載するスマートフォンは、必然的にフラグシップ機となります。
これまで、フラグシップ機と言えばQualcommのSnapdragon 800番台を搭載するスマートフォンという状態が長く続いました。一方、MediaTekはローエンド帯を中心にシェアを伸ばしていたため低価格向けのブランドイメージが残っています。
MediaTekはこのブランドイメージを払拭できるほどの性能を有する4nmプロセスチップを発表できるのでしょうか。
ちなみに、2020年通期のスマートフォン向けSoCのシェアではMediaTekが初めてQualcommを抜きトップに躍り出ています。
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