MediaTekは2020年8月28日、HUAWEIに部品を提供するためのライセンスを米国商務省に申請したと発表しました。
トランプ政権はHUAWEIに対する規制を強化し、サプライヤーが特別なライセンスなしに米国の技術を使用して作られたコンポーネントをHUAWEIに販売することを禁止しています。
この規制はHUAWEIに対する制裁措置にも関わらず、HUAWEIのグローバル企業としての大きさ故に部品を提供していた企業にまで影響を与えています。
米 ロイター通信のレポートにてアナリストが「MediaTekは、HUAWEIに対する規制強化で最も影響を受けた企業かもしれない。」と述べるほど。
これに耐えかねたのか、MediaTekは世界貿易規制に従うと延べた上で、9月15日以降にHUAWEIとの取引再開の許可を米国政府に求めました。
詳細な説明はなく、簡潔な声明ですが発せられた声明文は以下の通り。
「MediaTekは、世界貿易に関する規則の尊重と遵守を改めて表明し、規則に従って米国側に許可をすでに申請している。」
これまでHUAWEIにチップを供給していた世界最大のチップメーカーTSMCは、規制強化の影響でHUAWEIからの新規受注を5月に停止、9月15日以降は出荷の予定がないと表明済みです。
HUAWEIのコンシューマビジネス部門CEO、余承東氏は8月7日に行われたイベントにて9月15日にTSMCからの出荷が停止することから
「これ(9月15日)以降はSoCは製造できなくなる。これは私達にとって大きな損失だ」と語っていました。
仮にMediaTekにライセンスが付与されれば、MediaTekの売上は大きく増え、HUAWEIは9月15日以降もKirinを製造できるようになります。(※TSMCと同水準の製造プロセスが実現できるかは不明)
しかし、米国政府がこの申請にどのように対応するかは不明ですし、MediaTekにライセンスが付与される可能性は非常に低いのではないでしょうか。
過去には、Qualcommが5Gスマートフォン用のチップをHUAWEIに提供するためのライセンスを米国政府に申請したとの報道もありましたが、その後実現はされていません。
Kirin継続に少しの希望が芽生えたことは確かです。
MediaTekによる次なる声明を待ちましょう。
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