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中国政府、2022年よりワイヤレス充電の上限を50Wに制限することを検討。急速充電競争の終わりか?


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先日、Xiaomiは新たなHyperCharge急速充電技術を発表し、有線と無線で世界最速を更新したことを発表。
4,000mAhのスマートフォンを200W有線で8分、120W無線で15分でフル充電できるとしています。

一方、中国政府はワイヤレス充電の最大出力を50Wに制限することを検討しています。


中華人民共和国工業情報化部は、今年2月に「無線充電(送電)機器の無線管理に関する暫定規定」に関するパブリックコメントの募集を開始しました。

この暫定規定は、無線サービスとの干渉を避け、電波の秩序を維持することを目的としたものとなります。行政手段による企業の発展を制限、各企業による競争の抑止、高出力なワイヤレス充電による安全性の懸念などを目的とした規定ではないようです。

内容としては、スマートフォンだけでなく全てのモバイル機器のワイヤレス充電の最大出力を上限50Wに制限するというもの。その他、電力、周波数帯域、保護地域などが細かく規定されており、各メーカーは50W制限の他に「ワイヤレス充電(電力伝送)機器の技術要件」を全て満たす必要があるとしています。

上記は、あくまでも暫定規定に過ぎませんが、公式規定になった場合は2022年1月1日から施行されます。
施行されるまでは50W以上の無線充電を使用することは問題ありませんが、施行された場合はユーザーが既に所有している機器の場合でも50W以上の無線充電を行うことが不可になります
施行後に規則に違反する無線充電装置の使用は、「無線管理に関する規則」の第73条に従って、無線管理機関によって調査および処理されるとのこと。

また、この規定が施行された場合、急速充電技術をアピールしてきたXiaomiやOPPOにとっては逆風となることでしょう。
特にXiaomiは最新フラグシップ機「Mi 11 Pro」はワイヤレス充電67Wに対応など既に50Wの無線充電を超えるスマートフォンを市場で発売しているため与える影響は大きなものとなるでしょう。
これについて、Xiaomi側は「50Wの上限はやや低いと感じており、工業情報技術省と積極的に連絡を取り合っている。」としていますが、政府が規定を設ければ、従う意向を示しています。

公募されたパブリックコメントを紹介すると、否定的な意見では「政府が企業の発展や競争を制限、抑止するのは望ましくない」や「電力ではなく周波数帯域で制限するべきである」というものが。

一方「規制を設けないと数年後には100Wを超えるワイヤレス充電に対応する機器が普及し、電波障害を引き起こす。」「メーカーが最大W数で競争するのではなく、50W充電をより効率的に行う方法で競争するようになり、最適化された充電により結果的に安定したバッテリーパフォーマンスを促す」などの肯定的な意見も集まっています。

2021年6月現在も、意見を求める段階に留まっていますが、2022年1月1日にはこの規定が施行される可能性が高いと見られています。

ワイヤレス充電技術で業界をリードする中国での動きのだけに、今後の中国以外の国や地域でも一つのロールモデルとなる可能性があります。


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