ユーザー登録(無料)
ログイン

スマートフォン

総務省、技適無しでも実験目的で180日間利用可能な特例制度を開始!


投稿日:

総務省、技適無しでも実験目的で180日間利用可能な特例制度を開始!

総務省は11月20日、新電波法に基づく「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」のウェブページを開設し、書面での届出受付を開始しました。これにより、「技適マーク」を表示していない無線機器であっても実験目的で一時的に利用することができる特例制度の運用が始まりました。この制度はあくまでも「実験目的」で「180日以内」なので個人が海外の技適のないスマートフォンや、無線機器を自由に使えるというものではありません。

技適がないものは違法

一部の例外を除き、日本国内で使われる無線機器は電波法に基づく「技術基準適合証明」を取得しなければいけません。
さらに、携帯電話ネットワークなど公衆無線回線に接続する機器は電気通信事業法に基づく「技術基準適合認定」を取得する必要もあります。
技術基準適合証明と技術基準適合認定はまとめて「技適など」と呼ばれています。
これを取得した機器は、「技適マーク」と認証番号を合わせて本体の分かりやすい位置に表示することが義務付けられています。技適マークと認証番号の表示がない(できない)機器を使うことは原則として違法であり、技適などを取得している機器でも、表示がなければ違法となるのです。

「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」とは?

前述の「一部の例外」とは「海外からローミングインする携帯電話」、「海外から持ち込まれたWi-Fi(無線LAN)/Bluetoothデバイス」といったものがあります。
しかし、後者については入国してから90日以内という日数制限があり、実験用途で先端デバイスを試すには日数があまりにも足りないといった指摘がありました。
また、これら2つの例外は「日本に住む日本人が利用すること」を想定していません。そのため、日本の研究機関や企業は、もっと簡易な手続きで無線を使用する海外の先端デバイスを試せる制度の整備を求めてきたのです。

このような経緯より改正電波法に盛り込まれたのが「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」なのです。この制度ができたことにより、技適などを取得していない、一定の条件を満たす無線機器を180日以内の範囲で「試験的に」運用できるようになりました。

対象機器と利用方法

次にこの制度の対象となる機器、利用方法ついて解説します。

対象機器

この制度の対象となるのは、海外の監督官庁が認定する認証(FCC IDやCEマークなど)を取得している以下の規格を用いる無線通信機器となります。
  • 無線LAN(Wi-Fi)デバイス(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n規格)
  • Bluetoothデバイス(Bluetooth 2.1~5.1規格)
  • その他、総務省令で定める無線通信規格(WiGig、LoRaWan、Sigfoxなど)
なお、IEEE 802.11axについてはDraft 1.0~4.0までとしています。

使用できる場所は、国内の技適などを取得している機器に準じています。
例えば、5.2GHz帯/5.3GHz帯を利用するIEEE 802.11ax/ac/a規格のWi-Fi機器は屋内でのみで利用可能となっています。
対象機器と利用方法
また5.8GHz帯のWi-Fiなど、上記の一覧にないものは使用することができません。

利用方法

この制度を利用する場合、申請者の住所地を所管する総合通信局に申請する必要があります。現時点では「先行運用期間」となっており、書類を総合通信局に持参するか郵送して提出する必要があります。

提出する書類は、試験提供中のWebツールを利用すると比較的簡単に作成することができます。主な記載事項は以下の通りです。
  • 申請者のメールアドレス
  • 申請者の氏名、住所
  • 緊急時の連絡先と担当者名
  • 実験・試験・調査の目的
  • 無線設備(端末)で用いる無線規格
  • 技術基準に適合していることの確認方法
  • 運用開始の予定日
  • 利用を届け出る無線設備(端末)に関する情報
利用する端末は複数台まとめて申請可能ですが、後から追加することはできません。ただし、故障時の端末変更(交換)は届け出を行えば可能です。
申請した端末を第三者が使用する場合は、第三者に実験用の端末であることを説明するなど、適切な処置が求められます。
また実験などの終了時には、速やかに廃止の届け出を行うことも必要となりますので注意が必要です。

この制度で端末を利用できる期間は180日以内となっており「もう少し長く使いたい」という場合でも、同じ端末を同じ目的で使う場合は申請ができません。ただし、同じ端末を別の目的で使用する場合は、再申し込みが可能となっています。

なお、総務省では2020年春頃の完成を目指し、Web届出システムを開発中とのことです。
スポンサーリンク