昨今、QRコード決済の普及に伴いキャッシュレス決済への注目が集まっていますが、未だに根強い支持を得ている「おサイフケータイ」
QRコード決済の場合、アプリを開いて会計時にQRコードを見せる作業が必要になります。
ただし、おサイフケータイの場合はアプリなど開く必要もなく会計時に「○○で!」と伝えてタッチするだけで決済ができます。
また、おサイフケータイはモバイルSuicaや楽天Edy、iDなどの電子マネーにも対応しており非常に便利。
筆者はこの2点が譲れなく(特にモバイルSuica)スマートフォンを選ぶ際は、SIMフリーかつおサイフケータイ対応で選んでいます。
今回はSIMフリーで利用できるスマートフォンでおサイフケータイに対応したおすすめ機種をハイエンド機種とミドルクラス以下の機種から5選ずつ紹介していきます。
目次
おサイフケータイ対応(FeliCa搭載)スマホを3行でまとめると、、、
- FeliCaチップを搭載し、楽天Edyなどのタッチ決済に対応するのがおサイフケータイ
- 日本国内限定のサービスのため、グローバルモデルをメインにする海外メーカーは非対応機種も多い
- 大手キャリアのスマホには対応機種が多いが、SIMフリースマホにも対応機種が増えている
そもそも、おサイフケータイとは?
おサイフケータイとは、docomoがスマートフォン以前のガラケー時代の2004年から導入しているFeliCaチップというICチップを使った日本独自の電子決済等のサービスを指します。
携帯電話に搭載したFeliCaチップに携帯電話のバッテリーから電力供給を行い、店舗側に設置したリーダー/ライターと暗号化された非接触通信を行うことにより、安全な電子決済を実現するという仕組みです。
docomoが開発、導入したサービスではありますが、普及を促進するため、auやソフトバンクといった他社にも商標権をライセンスしたことにより、国内の携帯電話主要事業者はいずれもおサイフケータイ対応機種を提供しています。
スマートフォンから始まったサービスではなく、ガラケーの頃から普及していったこと、FeliCaチップというICチップを使っていることからセキュリティの確保は重視されています。
さらに、スマートフォンに内蔵しているICカードへのロック機能や、スマートフォンそのものを紛失した場合にも通信を使った遠隔ロックによって不正に利用されることを防ぐ仕組みが作られています。
おサイフケータイ(タッチ決済)がQRコード決済よりもセキュリティが高いと言われる由縁はここにあります。
おサイフケータイ対応の電子マネー
「おサイフ」ケータイという名称が示すように主要な用途は電子マネー機能になっています。
主な電子マネーサービスには、FeliCaチップに電子マネーをチャージする「楽天Edy」や「nanaco」、「WAON」クレジットカードと同じ後払い方式のdocomoの「iD」、JCBの「QUICPay」、電子マネーと電車の乗車券を一体にしたJR東日本の「モバイルSuica」などがあります。
FeliCaチップにデータを書き込めることから、電子マネー以外にもヨドバシカメラなどの量販店のポイントサービスや会員証としての用途にも使えます。
ユニークな取り組みとしては航空券やイベントのチケットレスサービス や、マンションの鍵にも利用するサービスなども提供されています。
- 楽天Edy
- モバイルSuica
- モバイルPASMO
- WAON
- nanaco
- iD
- QUICKPay
【要注意】FeliCaとNFCではなにが違うか
電子マネーを含め、非常に多岐にわたるサービス提供が可能となっているFeliCaですが、同じような非接触ICカードに「NFC」という規格があります。
海外メーカーのスマートフォンにも採用する機種が多いため、スマートフォンのスペック表を見るとよく目にするようになっているため、FeliCaとNFCはどう違うのだろう?と思う方もいるでしょう。
共通しているのはどちらも非接触ICカードの規格を指しており、「かざすだけで通信」を行うことができます。
さらにいうとFeliCaは、NFC規格の1つであり、FeliCaにはNFCの技術が使われています。
では、名前は違うけど、NFCでもFeliCaと同じことができるかというとFeliCaはNFC規格の中の1つであり、NFC規格との互換性はありません。
そのため、NFC搭載機種であってもFeliCaが搭載されていなければ、おサイフケータイにも対応していないということになります。
海外メーカーのスマートフォンにもFeliCaは非対応でもNFCには対応している機種があるのは、NFCは国際規格で、FeliCaは日本国内の規格にとどまっているため、普及度が違ってくるという事情があります。
また、FeliCaは非接触ICカードによるセキュリティの高さに加えて、モバイルSuicaのような交通系ICカードの利用で駅の改札をスムーズに通過できるように他のNFC規格より通信速度を高めておサイフケータイとして開発していた経緯もあって、根っこの部分では同じ技術を使っていても互換性のない別々の規格になっているという事情があります。
PayPayなどのQRコード決済との違い
スマホ決済、キャッシュレス支払いというキーワードで最近よく聞くのが「PayPay」などのQRコード決済です。
サービス開始直後に大きなトラブルを起こしてしまい、サービス自体を終了してしまった「セブンペイ」もQRコード決済だったわけですが、QRコード決済とおサイフケータイとではどう違うのでしょうか。
「PayPay」や「LINEペイ」などキャッシュレス支払いでQRコード決済が現在急速に普及しはじめています。
おサイフケータイ利用者からは既にキャッシュレス支払いに便利なおサイフケータイが普及していってるのになぜ?と感じる方もいるかもしれませんが、QRコード決済の場合、FeliCaチップを搭載していないスマホでも利用できるという手軽さがあります。
店舗側もQRコードを読み取る機械を導入する方法以外に、ユーザー側に店舗のQRコードを読み取ってもらう方法もあり、おサイフケータイとは異なりリーダー/ライターを導入しなくても、始めることができ、初期投資を非常に抑えることができるというメリットがあります。
しかし、QRコード決済の場合、ユーザー側はアプリからQRコードを表示し、店舗側に読み取ってもらうか、店舗のQRコードをスマホで読み取るというアプリの起動とQRコードを読み取るという2つの手間が発生します。
おサイフケータイの場合、ApplePayは別として、店舗側のリーダー/ライターにスマホをかざすだけで決済できるため、支払いの手間はおサイフケータイの方が圧倒的に簡単になっています。
セキュリティ面も、QRコード決済の場合、電子マネーはスマホではなく、PayPayなどのキャッシュレス支払い事業者のサーバー上にあるため、セブンペイがそうだったようにアカウントが乗っ取られた場合、勝手に使用されてしまうリスクがあります。
FeliCaチップに暗号化された電子マネーや支払いのための情報を保持するおサイフケータイの方がセキュリティ面でも優位ということができるでしょう。
国内メーカーの対応
SONYやシャープといった国内メーカーはdocomoなどの主要事業者に元々おサイフケータイ対応機種を提供しており、SIMフリーに提供する機種であっても、おサイフケータイに対応している機種になっていることが多いと言えます。
国内市場での競争を考えたときに、ライバルメーカーが標準対応しているおサイフケータイの機能を省くメリットがほとんどないからかもしれません。
海外メーカーの対応
海外メーカの場合、グローバルモデルを中心に開発・製造を行っており、世界市場の内、日本市場も1つの市場でしかなく、日本でしか利用できないおサイフケータイに対応させるのはやや費用対効果が薄いと考えるのが自然でしょう。
そのため、海外メーカーはおサイフケータイの対応にやや消極的です。
ハイエンドモデルであっても、おサイフケータイに対応していない機種、ASUSの「ROG Phone」や「ZenFone6」、HUAWEIの「HUAWEI P30」という機種があることからも明らかでしょう。
おサイフケータイ対応(FeliCa搭載)SIMフリースマホのおすすめ機種のクラス分け
次にSIMフリーで利用できるおサイフケータイ対応のスマートフォンからおすすめ機種を「ハイエンド機種」から3選、価格を抑えたミドルレンジから3選紹介していきます。
おサイフケータイ以外にも性能も重視したいか、おサイフケータイに対応していれば良いので価格をより抑えたいか、好みに応じて参考にしてみてください。
おサイフケータイ対応(FeliCa搭載)のSIMフリースマホおすすめ3選(ハイエンド編)
Xperia 1 II
当初キャリア版のみの発売でしたが、2020年8月にSIMフリー版の発表が行われた「Xperia 1 II」
ハイエンドSoC Snapdragon 865を搭載し、3D ToFセンサーを組み合わせたクアッドカメラに専用カメラアプリ「Photography Pro」の対応
2020年現在、SIMフリーかつおサイフケータイ対応で性能が高いスマートフォンと言ったら「Xperia 1 II」が真っ先に候補に挙がるでしょう。
AQUOS zero2
シャープが2020年3月に発売した「AQUOS zero2」SoCはSnapdragon 855、カメラがデュアルカメラ、防水防塵、おサイフケータイに対応します。
6.4インチながらも重量が141gと軽いのが特徴です。
Google「Pixel 4」
Android OSの開発元であるGoogleが自ら開発しているPixelシリーズの最新モデルが「Pixel 4」です。
そんな「Pixel 4」もおサイフケータイに対応しているというのは、海外メーカーのおサイフケータイ対応機種も今後どんどん増えていく印かもしれません。
シングルカメラでもデュアルカメラに見劣りしない性能を見せていたPixelシリーズがデュアルカメラになったことで非常に楽しみな性能のスマートフォンに仕上がっています。
Google自ら開発したモデルであるため、OSアップデートが長く保証されるのも魅力ですね。
おサイフケータイ対応(FeliCa搭載)のSIMフリースマホおすすめ3選(ミドルレンジ編)
OPPO Reno 3A
OPPOが2020年に投入した最新ミドルレンジスマートフォン「OPPO Reno3 A」同端末は日本向けに開発されたもので海外では発売されていないスマートフォンとなります。
日本向けの名に相応しく、おサイフケータイ、防水防塵にもしっかりと対応!
また、SoCにはSnapdragon 665、リアカメラにはクアッドカメラ、4025mAhの大容量バッテリーと必要十分な性能を有しながらも価格はなんと3万円台!
OPPO Reno A
お次もOPPOより「OPPO Reno A」
OPPO Reno Aは先ほど紹介したOPPO Reno3 Aの前モデルとなります。
そのため、OPPO Reno3 A同様に日本専売モデルであり、こちらもおサイフケータイや防水防塵に対応。
前モデルと聞いて、型落ちをイメージしたかもしれませんが、、、、
実は、OPPO Reno AはSoCにSnapdragon 710を搭載しており、最新のOPPO Reno3 Aよりも性能が高いのです!
カメラ性能やバッテリー容量に関しては、OPPO Reno3 Aの方が高スペックですが、OPPO Reno Aもまだまだ現役です。
Google Pixel 4a
2020年8月末に発売された「Google Pixel 4a」ミドルレンジの中でも上位のSoC Snapdragon 730Gを搭載し、シングルカメラながらもGoogleのAI技術の高さでカメラ性能も高いのが魅力です。
まとめ:SIMフリーのおサイフケータイ対応(FeliCa搭載)スマホは買いか否か
まだ数は少ないものの、ハイエンド・ミドルレンジどちらにもSIMフリーで購入できるスマートフォンには魅力的な機種があり、安心して使える、簡単に支払えるおサイフケータイ対応スマートフォンは「買い」といえるでしょう。