米国通商代表部(USTR)は2月17日、模倣品の流通など知的財産権が侵害されているとする「悪名高い市場」に関する2021年度版の報告書を公開し、同リストに中国テンセント・ホールディングス(騰訊)のメッセージアプリ「微信(WeChat)」とアリババグループの国外向けECサイト「AliExpress」を新たに追加したことを発表しました。
USTRは、政府が知的財産権の侵害に対して行動を起こすことを奨励するとともに、市場の改革を奨励すること目的として2011年から毎年、「悪名高い市場」リストを発表しています。
今回発表されたリストには、42のオンラインサイトと35のオフラインストアが掲載されており、米国当局はこれらの企業が「著作権侵害または実質的な商標偽造を助長している」としています。
この内、今回のリストにてテンセントのWeChatとアリババのAliExpressが新たに追加されました。
USTRRはこの2つを「大規模な商標偽造を助長しているとされる、中国拠点の2つの主要なオンライン市場だ」と指摘しています。
今回のリスト追加を受けて、アリババとテンセントは以下のようにコメントをしています。
アリババは、プラットフォーム上での知的財産保護を巡る懸念に対処するため、引き続き政府機関と協力すると述べています。
一方で、テンセントは今回の決定に強く反対しつつ、「この問題を解決するために協力して取り組むことを約束」。プラットフォームにおける違反行為を積極的に監視、抑止、対処することに加え、知的財産権保護に多くのリソースを投資していたと主張しています。
このリストに追加されたことによる直接的な罰則はないものの、中国商務省は米国当局に対し、これらのリストは無責任であると批判し、企業への過度の悪影響を回避するために公正な評価を行うよう求めています。
海外製のスマートフォンを購入する際にAliExpressを使用する方も多いと思います。また、海外メーカー自体も販路として正式にAliExpressでの展開も行っています。
しかし、AliExpressでは偽物が多く流通していると指摘されてしまった以上、AliExpress内のメーカー公式ストアなど信頼できる販売元からの購入を心がけるのが良いでしょう。
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