清水化学工業の元社員が自社技術の機密情報を中国企業に漏洩したとして、不正競争防止法違反容疑で書類送検された事件で、2019年5月に懲戒解雇された後、HUAWEIに再就職していたことが日経ビジネスの取材で判明しました。
まず先に書類送検されるに至った経緯は以下の通り。
2020年10月13日、大阪府警は大手化学メーカー 積水化学工業の元社員の男性(45)を不正競争防止法違反(営業秘密侵害)容疑で書類送検したことを発表。
元社員の男性は在職当時の2018年8月上旬から半年にかけて、機密情報に該当する技術情報を中国企業の社員にメールで送信した疑いがもたれています。
この中国企業は潮州三環グループと報じられており、漏えいしたとみられる技術はスマートフォンのディスプレイに使用される素材「導電性微粒子」に関する情報です。
元社員は、技術開発部門に勤務しており、社内サーバーから私物のUSBにデータをコピーし機密情報を入手、その後中国企業にメールで機密情報を送信していたことが明らかになっています。
また、中国企業はビジネスSNS「LinkedIn」を使用してコンタクトを取ったことも判明しています。
元社員はLinkedInにて氏名、勤務先、導電性微粒子の研究に携わっていることを公開しており、中国企業はLinkedInで接触後にメールを交わし、中国企業の負担で中国に数回招いていたとのこと。
その後、同僚が元社員の不正行為に気づき、社内調査により事件が発覚。
2019年5月末に積水化学工業が元社員に対し懲戒解雇処分、9月に大阪府警へ刑事告訴。
2020年10月13日、不正競争防止法違反の容疑で書類送検
上記がこの事件の一連の流れですが、先に説明したようにこの元男性が懲戒解雇後にHUAWEI Japanに再就職していたことが続報として明らかになりました。
HUAWEI Japanは日経ビジネスの取材で以下のように説明しています。
「その社員が入社する際、積水化学で懲戒解雇された事実を知らされなかった」
「書類送検されたことを本人から聞かされなかった。(記者からの)指摘を受け、初めてそのことを知った」
HUAWEI Japanは16日までに書類送検を受け、「事実関係を確認し次第、厳正に対処する」と話していましたが、17日になって、前日の16日にすでに元社員が退社したと説明。
退社理由については明かさず、HUAWEIが処分を下したかどうかについてもコメントを控えるとしています。
この元社員はHUAWEIの技術部門に所属し、大阪市北区にあるHUAWEI大阪研究所に勤務していたとのこと。
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