世界最大の電子ディスプレイに関する学会「The Society for Information Display」(SID)が5月に開催したディスプレイ関連のオンラインイベント「Display Week 2021」
同イベントにて、Samsungは次世代フォルダブルスマートフォンやローラブルスマートフォンに採用されるであろう次世代ディスプレイを複数出展し、次なるフォルダブルOLEDのコンセプトを発表しています。
1つ1つが主役級の発表であるため、非常に目移りしてしまう出展内容となっていますが、まずは、Samsungが推し進めている「Galaxy Z Fold」シリーズに代表される「フォルダブルスマートフォン」の次世代モデルで採用されると思われる「三つ折り」タイプのディスプレイのデモムービーが紹介されています。
「S-Foldable」と名付けられたディスプレイは「Z」型のように2か所で折りたたむことができるディスプレイとなっています。
2021年末から2022年初頭にかけて三つ折りタイプの新たなるフォルダブルスマートフォンが計画されているとするリーク情報もあり、実現するのであればこの技術が間違いなく採用されることでしょう。
デモムービーで紹介されていた「S-Foldable」を採用した「フォルダブルスマートフォン」は完全に開いた状態では7.2インチのタブレットサイズとなり、音楽プレイヤーを表示しながら、今日のスタリングを決めるために写真を表示するようなマルチタスキングも容易に行えるサイズとして利用できる想定となっています。
そんな大きなディスプレイをもったスマートフォンでありながら、外出時には折りたたんでしまうことで女性の胸ポケットに収まるほど非常にコンパクトなサイズになることを想定したスマーフォンも設計可能なディスプレイとなることを想定しているようです。
次にスマートフォンはもちろんですが、ノートパソコンなどでも採用を狙っていると思われるディスプレイ埋め込み型カメラ(Under Panel Camera)がベゼルが存在しないノートパソコンのTV会議のシーンのデモムービーで紹介されています。
ディスプレイに埋め込んでしまうことでTV会議などで使用するカメラを設置するためのベゼルやパンチホールを設ける必要がなく、ノートパソコンのサイズギリギリまでディスプレイで占有することを想定しているようです。
さらにノートパソコンにもフォルダブルディスプレイ、しかも有機ELディスプレイを採用することで非常に鮮やかかつ、動きに激しいシーンにもブレのない映像を楽しみつつ、ノートパソコンスタイルでは、机に面した部分はキーボードや操作パネルとして利用し、完全に開いた状態では1枚の非常に大きなディスプレイとして様々な情報を表示できるようになるようです。
また、フォルダブルタイプと異なる次世代ディスプレイとしては、LGエレクトロニクスが残念ながら商品化をあきらめてしまったローラブルタイプのディスプレイを採用した「ローラブルスマートフォン」のデモムービーも紹介されています。
スマートフォン上で右にフリックするとフリック動作と連動し、ディスプレイがスライドし、表示領域が拡張されるというデモを「Slidable」というキーワードとあわせて紹介しています。
そんな次世代ディスプレイの数々をしかも子どもの目の健康にも配慮し、ブルーライトも抑えたディスプレイとして開発しているという姿勢が紹介されています。
オンラインイベントであるため、実際の製品を手に取って確かめることができるタイプのイベントになっていないため、どこまでの完成度なのか、スマートフォンなどの最終製品としてはいつ頃登場するのかは現在のところ不明です。
しかし、以前にリークされた情報にあったように2021年末には一部が商品化につながることを期待せずにはいられないエキサイティングな内容だったと言えるでしょう。