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OPPOやvivoが独自ISPを開発、SoCとは別に画像処理プロセッサを搭載?カメラはソフトウェア勝負に


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トリプル、クアッドカメラと言った複眼化、1億800万画素と言った高画素化などスマートフォンのカメラ性能は様々なアプローチで進化をたどっていますが、来年以降はソフトウェア勝負がひとつのトレンドになるかもしれません。


中国 腾讯(Tencent)のメディア 腾讯新闻深网は27日、内部関係者からの確かな情報としてOPPOとvivoが独自ISPの開発に取り組んでいる伝えています。

腾讯新闻深网によると、OPPOは独自ISPの開発プロジェクトを進めており、プロジェクトチームには約1,000名で構成されているとのこと。また、来年初頭に発表予定の「OPPO Find X4」シリーズでの搭載を目指している模様です。

一方、vivoは約2年前に“悦影”(Yueying)プロジェクトと称する独自ISPの開発チームを結成。現在、500~600名のチームで構成されており、今年下半期に発表予定の「vivo X70」シリーズへの搭載に向けて調整を行っているようです。

腾讯新闻深网がOPPOおよびvivoに上記の事実確認を求めたが、期日までの返答はありませんでした。

Snapdragon 888 ISP
pectra 580 ISP
ISPとは Image Signal Processorの略で、文字通り画像処理プロセッサを意味します。

スマートフォンのプロセッサと聞くと、SoCをイメージする方が多いと思いますが、ISPはそのSoCに内包する一つのプロセッサとなります。
例えば、QualcommのハイエンドSoC「Snapdragon 888」は、「Spectra 580 ISP」と呼ばれる画像処理プロセッサを搭載しています。このISPの優劣によってカメラ性能が異なります。

しかし、ハイエンドAndroid端末のほぼ全てがQualcommの「Snapdragon 888」を搭載するため、メーカー独自のソフトウェアチューニングがあるとは言えど根本となるISPのスペックは同じなのです。そのため、画素数やセンサーサイズなどのハードウェアで競うこととなります。
(※GoogleのみPixelシリーズにて画像処理エンジンを以前より搭載していました。)

Surge C1
そして、この状況に一石を投じたのがXiaomi
Xiaomiは、同社初の折りたたみスマートフォン「Mi MIX Fold」にて独自ISP「Surge C1」を搭載
同端末はSoCにSnapdragon 888を搭載していますが、先述した「Spectra 580 ISP」とは別に自社開発の画像処理プロセッサー「Surge C1」を搭載することで従来より正確なAF(オートフォーカス)、AW(オートホワイトバランス)、AE(自動露出)を実現しています。

つまり、この動きにOPPOやvivoが追従し、独自ISPの開発に舵を切っているようです。
Xiaomiも独自ISPの開発を継続しており、次期フラグシップ機では 「Surge C1」 の後継となるISPが搭載される可能性も十分あります。

OPPOは2019年11月にEUIPO(欧州連合知的財産庁)にモバイルチップの名目で「OPPO M1」の商標を申請しています。また、2020年5月にはMediaTekの元副社長兼COOのJeffery Ju氏を含む、MediaTekの幹部数名と中国第2位のモバイルチップ開発企業 UNISOC(紫光展锐)のエンジニアを多数迎え入れ、チップ開発チームを設立したことも明らかになっています。

いよいよ、スマートフォンのカメラ性能に対するアプローチが変わろうとしているかもしれません。
Xiaomiの「Surge C1」 は高価な折りたたみスマートフォン「Mi MIX Fold」への搭載ということもあり、独自ISPの認知度、注目度ともにそこまで高くありませんが、中国市場以外にもグローバル市場および日本市場への投入も確実視されている「OPPO Find X4」シリーズに独自ISPの搭載となれば業界全体の流れが変わるかもしれません。

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