OPPOは3月21日、サンフランシスコで開催されたGame Developers Conference 2022(GDC 2022)にてスマートフォン向けでは世界初となるレイトレーシングアプリケーション「ColorOSレイトレーシング3D壁紙」を発表しました。
レイトレーシングとは、簡単に言うと光や影を現実世界と同じように表現する技術であり、PC向けから始まり最近では、家庭用ゲーム機のPS5やXbox Series S/Xにも対応が広がっています。
スマートフォン向けでの対応これまで実現しておらず、各メーカーが鋭意開発中という状況でしたが、OPPOが一足先にレイトレーシング技術への対応を世界で初めて商用化したかたちとなります。
OPPOが発表したのは、スマートフォンの3D壁紙にレイトレーシング技術を採用した「ColorOSレイトレーシング3D壁紙」と呼ばれるアプリケーション。
リアルタイムで光をレンダリングして、オブジェクトの影、反射、屈折をより鮮やかでリアルに描画した3D壁紙をスマートフォンの壁紙として設定できるというものです。
ただし、ゲーム等の対応ではなく今のところ壁紙のみの対応となっています。
また、対応するスマートフォンは同社フラグシップ機の「OPPO Find X5 Pro」の1機種のみ。しかも、同機種にはSnapdragon 8 Gen 1搭載版とDimensity 9000搭載版の2種類がありますが、レイトレーシングに対応するのはDimensity 9000搭載版のみとなります。
これは、Dimensity 9000のGPUにArm社のMali-G710 MC10が搭載されていることに加え、MediaTekのゲーミングテクノロジーの第5世代となるHyperEngine 5.0が搭載されているためです。
HyperEngine 5.0は、スマートフォン向けでは初のAIで強化された可変レートシェーディング技術であるAI-VRSと、Android用Vulkanを使用した業界初のレイトレーシングソフトウェア開発キット(SDK)が搭載されています。
OPPOは、このレイトレーシングソフトウェア開発キット(SDK)を用いて、「ColorOSレイトレーシング3D壁紙」の開発を行っています。
OPPO USResearchCenterのグラフィックス製品管理責任者であるJaneTian氏によると、「スマートフォンデバイス全体でレイトレーシングテクノロジーを利用できることで、よりリアルなゲームプレイグラフィックが実現し、より没入型で競争力のあるゲームが実現します。私たちの3D壁紙は、このテクノロジーを使用してスマートデバイスの将来のアプリケーションを探索するための出発点としても機能します。」と述べています。
つまり、この3D壁紙を出発点として今後はゲーム等のその他のアプリでもレイトレーシングの対応を進める予定とのことです。
同社によると、今年後半にOPPO Find X5 Pro Dimensity 9000版のユーザーの向けてレイトレーシングに対応した3D壁紙アプリケーションをAPKとして配布する予定としています。
また、先述したレイトレーシングソフトウェア開発キット(SDK)も開発者やデザイナーに向けて配布予定とのことです。
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