台湾半導体企業のMediaTekは、2020年11月10日に年次サミットを開催しました。
今までMediaTekはエントリーからミドルレンジといった低価格向けスマホに搭載されるSoCを開発しており、QualcommやSamsungのように高度なプロセスノードを使用したSoCの製造には遅れを取っていました。
しかし、MediaTekの技術力は追いついてきたようです。
年次サミットにて、同社は7nmプロセスで製造される「Dimensity 700 5G」を正式発表しました。
CPUは、2.2GHzでクロックするCortex-A76が2つ、2.0GHzでクロックするCortex-A55が6つのオクタコアで構成されます。
GPUは、950MHzでクロックするMali-G57MC2
Dimensity 700 5Gは、新たにDimensityシリーズに加わり、低価格の5Gミドルレンジ端末に搭載されるとしています。
そして、年次サミットの最中にサプライズ発表が行われました。
なんとMediaTekは、6nmプロセス製造のSoCの発表を間もなく行うとアナウンスしました。
このSoCは、台湾TSMCによって6nmプロセスで製造され、3.0GHzでクロックするCortex-A78を採用するようです。
QualcommのハイエンドSoC「Snapdragon 865」は、TSMCの7nmプロセスで製造されCortex-A77(4コア)+Cortex-A55(4コア)のオクタコアで構成されています。
そのため、MediaTekが発表を控える6nm SoCは、事実上Snapdragon 865を上回る性能となることが想定されます。
著名リーカーの”数码闲聊站”氏は、このSoCのAntutuスコアは約60万点であり、搭載される端末の価格は2,000元(約32,000円)になるだろうと予想しています。
Qualcommは今年12月に、5nmプロセスで製造される「Snapdragon 875」を発表する予定であり、再びMediaTekを突き放すことが想定されますがその差は、確実に縮まっています。
数年前まで安さが強みだったMediaTekが確かな技術力を身につけ、低価格かつ高性能のSoCを実現しようとしています。
PC向けプロセッサーでintelを追い立てるAMDの躍進と似たようなものを感じます。
私たち消費者にとっては嬉しいですね。
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