世界最大のIT家電ショー「CES 2021」にて披露された巻き取り式スマートフォン「LG Rollable」
当初、LGエレクトロニクスの広報担当者は「2021年後半に発売される予定」と語っていましたが、現在は開発を中止しているようです。
韓国通信社の聯合ニュースは、LGが「LG Rollable」の開発を中止する可能性があると報じています。
業界筋からの情報として、ディスプレイサプライヤー BOEにLG Rollableおよび他2機種のスマートフォンにも搭載予定であったOLEDディスプレイの開発を中止するように指示したとしています。
一方、BOEはLG側に開発費の請求を検討しているとのこと。
LGが開発を中止した理由としては、同社モバイル部門の不調が挙げられています。
同社は昨年、2740万台のスマートフォンを出荷し、世界シェアは僅か1.9%に留まっています。
さらに、モバイル部門は四半期ベースで2015年第2四半期から23期連続の赤字を記録し、累積赤字は5兆ウォン（約4,700億円）以上にも及んでいます。
LGがスマートフォン事業を撤退するとの噂が1月に報じられて、一時的には公式に同報道を否定する声明を発表しました。
しかし、最新の声明（1月20日）ではLG電子社長のクォン・ボングソク氏は、「モバイル事業の現在・未来の競争力を冷静に判断して最善の選択をしなければならない段階に達した。現在、すべての可能性を開いて事業運営の方向を綿密に検討している」と語っています。
韓国紙はLGが事業再編または事業撤退などを考慮した上で将来の営業損失をこれ以上増やさないためにLG Rollableを含む3機種の開発を中止した可能性があるとしています。
一方、将来の事業運営が不透明の中、多額の開発費を必要とするLG Rollableの開発はリスクがあると考え、今後の方針が確定するまで一時的に開発を中止したとの見方もできます。
この場合、仮にモバイル事業の事業継続が確定された際には、LG Rollableの開発が再開するかもしれません。
