GoogleはこれまでPixelシリーズのSoCにはQualcommのSnapdragonを採用してきましたが、今秋発表予定の「Pixel 6」シリーズではGoogleが独自にカスタマイズしたSoC「Tensor」を搭載することを公式に明らかにしています。
高級感のある外観デザインに加え、独自SoC「Tensor」の搭載で期待感が高まっていますが、この「Tensor」は実際にはSamsungの独自SoC「Exynos」である可能性が浮上してきました。
Snapdragon 855/865ではTSMCの7nmプロセスで製造、Snapdragon 888ではSamsungの5nmプロセスで製造と言ったように、半導体ファウンドリ(受託製造企業)がSoCの製造を委託される訳ですが、Googleの「Tenser」はどこが製造を請け負ったのでしょうか。
これについては公式に明らかにされていませんが、日本経済新聞の英文媒体「Nikkei Asia」は関係筋からの情報として「Tenser」がSamsungの5nmプロセスで製造されていると伝えています。
ただし、単にSamsungが「Tenser」の製造を請け負ったいるだけでなく、Googleとの関係がより密接である可能性が出てきました。
以前のリークされたSamsungの開発ロードマップにて「Exynos 9855」と「Exynos 9925」が開発中であることが明らかになっていました。(※Exynos9830 = Exynos990、Exynos9840 = Exynos2100は既に発表済み)
未発表の2つのSoCの内、「Exynos9925」は 来年の「Galaxy S22」シリーズに搭載される次期フラグシップSoC「Exynos 2200」であるとされています。
一方、もう一つの「Exynos 9855」は、オランダのGalaxy専門メディア「GalaxyClub」によりコードネームが「Whitechapel」であることが伝えられています。
この「Whitechapel」は、Googleの内部文書より「Tenser」のコードネームであることも判明しています。
一連の結びつきにより、Exynos9855 = Whitechapel = Tenser であることが示唆されています。
つまり、Samsungの未発表SoC「Exynos 9855」をGoogleが「Tenser」にリネームし、独自SoCとして打ち出している可能性があります。
また、Samsungのモデル番号よりスペックを推測することもできます。
「Exynos9925」は、AMD RDNA2 GPUを搭載したフラグシップExynosとなるため、 現行のハイエンド機「Galaxy S21」シリーズに搭載される Exynos9840 = Exynos2100と比較して3桁目の数字が”8″から”9″に上がっています。
一方、「Pixel 6」シリーズに搭載される Exynos9855 = Tenserは、 Exynos9840 = Exynos2100と比較して 3桁目の数字が据え置きとなっておりマイナーアップデートであることを示唆しています。
つまり、Tenserを搭載するPixel 6シリーズの性能はGalaxy S21シリーズと同等、もしくはそれ以上からGalaxy S22シリーズ未満となります。
GoogleはPixelシリーズで “Google”の技術を集約させ、”Google”が開発していることをブランディングに使用しているため、独自SoC「Tenser」が実はSamsungの「Exynos」だったと公式に明らかにすることはまず無いと見て良いでしょう。
Googleからの情報ではなく、あくまでコードネーム等からの推測となりますが、 Exynos9855 = Whitechapel = Tenser である可能性は高いと思われます。
ただし、GoogleがカスタマイズしたことでExynosよりも人工知能と機械学習の性能が向上していることは確かでしょう。Google Pixel 6シリーズは今秋、発売予定です。
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