日本国内でsoftbankの専売という扱いで「Redmi Note 9T」が発表されたばかりのXiaomiですが、グローバルでは次のシリーズである「Redmi Note 10」シリーズが中国で3月4日に発表されました。
しかも、同じモデル名を持つシリーズ機種とはいえ、一挙4機種と大盤振る舞いの発表となっています。
シリーズの構成は、シリーズのベースモデルとしての「Redmi Note 10」、
それから5G対応した「Redmi Note 10 5G」、「Redmi Note 10」と同じサイズですがカメラ機能を強化した「Redmi Note 10S」、
さらに最上位機種に108MPのイメージセンサーを採用した「Redmi Note 10 Pro」の4機種となっています。
各機種の紹介は順番に行っていくとして、5Gに対応している機種はモデル名が示しているように「Redmi Note 10 5G」のみで、残り3機種は4G対応機種となります。
まず、ベースモデルとなる「Redmi Note 10」から見ていきましょう。
国内でsoftbankから専売される「Redmi Note 9T」との違いも気になるところですが、まず5G対応していないという点ではsoftbankから発売される「Redmi Note 9T」の方が通信速度という点で勝っていると言えます。
ディスプレイサイズは6.43インチの有機ELディスプレイで、6.53インチディスプレイを持つ「Redmi Note 9T」よりディスプレイ、本体サイズともにわずかにコンパクトになっています。
カメラ機能ではメインカメラの画素数がともに4800万画素となっています。
しかし、「Redmi Note 10」は「広角+超広角+マクロ+深度センサー」のクアッドカメラになっており、トリプルカメラとなっている「Redmi Note 9T」と比べてカメラ機能では優位と言えるでしょう。
グローバルモデルであるため、「Redmi Note 9T」のように現時点ではおサイフケータイへの対応は実装されていませんが(日本国内に投入されるのであればカスタムで搭載される可能性もありますが)、防水対応では「IP53」の等級となっており、生活防水程度には保護されるようになっています。
その一方で「Redmi Note 9T」は、日本国内に投入されたモデルでありながら、防水・防塵には「非対応」となってしまっており、「Redmi Note 10」の方が勝っていると言えます。
次に「Redmi Note 10 5G」ですが、機種名からは「Redmi Note 10」の5G版のように見えますが、カメラ構成やディスプレイサイズも異なっており、どちらかというと「Redmi Note 9T」に近いモデルになっています。
6.5インチディスプレイに4800万画素+200万画素+200万画素のトリプルカメラになっているカメラ構成は「Redmi Note 9T」と重なる内容と言えます。
本体サイズは「Redmi Note 10 5G」の方がわずかにコンパクトになっていますが、SoCが「MediaTek Dimensity 700」と「Redmi Note 9T」の「MediaTek Dimensity 800U」より下位のモデルナンバーになっている点が少し残念と言えます。
「Redmi Note 10 5G」については少なくともsoftbankでは「Redmi Note 9T」があれば取り扱い対象に加える必要はない機種となりそうです。
再び4Gモデルに戻り、「Redmi Note 10S」ですが、ディスプレイや本体サイズは「Redmi Note 10」と共通となっており、同一モデルの上位機種の扱いとなります。
SoCが「Snapdragon 678」ではなく「MediaTek Helio G95」と同一サイズの本体では珍しく別メーカーのSoCになっていることと、カメラ性能で差別化をはかっており、メインカメラが「4800万画素」ではなく「6400万画素」と高画素化されています。
また、メモリ容量も「Redmi Note 10」の「4GB」から「6GB」に増量されているため、ゲームなどの処理の重たいアプリを動かすのには「Redmi Note 10S」の方がストレスは少なくなりそうです。
性能が少しずつ上位となることで発生する価格差は、アメリカドル換算で20ドル程度の価格上昇となるようなので、ミドルレンジの中で少しでもカメラやメモリ容量に上位を望むかどうかが判断の分かれ目になりそうです。
最後に、「Redmi Note 10」シリーズの最上位機種となる「Redmi Note 10 Pro」ですが、Xiaomi初のリフレッシュレート120Hzに対応した6.67インチ有機ELディスプレイを採用し、10800万画素の「1億画素」超過イメージセンサーを採用したクアッドカメラモデルとなります。
この1億画素超のイメージセンサーはSamsungの最新のイメージセンサーである「ISOCELL HM2センサー」で画素数が非常多くなっているだけでなく、「9-in-1ピクセルビニング」という疑似的に隣り合うピクセルを結合させて画像を作り出すことで「1億画素」を贅沢に使って「1200万画素」の高画質画像を作り出すことができるセンサーになっています。
最上位モデルらしくクアッドカメラやディスプレイ以外のメモリやストレージ容量も上位モデルとも渡り合える十分な容量を持っています。
ミドルレンジモデルらしくSoCが「Snapdragon 732G」となっていることと、5G通信をサポートしないあたりがもったいなくも感じるモデルと言えます。
5G対応版の「Redmi Note 10 Pro 5G」があってもいいようにも感じるモデルです。
なお、この「Redmi Note 10 Pro」はインドでは「Redmi Note 10 Pro Max」と「Redmi Note 10 Pro」の2機種に分かれています。
グローバルの「Redmi Note 10 Pro」と同じモデルはインドでは「Redmi Note 10 Pro Max」となり、インド版の「Redmi Note 10 Pro」はメインカメラの画素数が6400万画素に抑えられたものになるため、インド版を購入する機会はそうないでしょうが、インド版を購入する機会がある方は購入前にスペックを確認した方がいいでしょう。
今回発表されたRedmi Note10シリーズ4機種のうち1機種でも日本国内での販売対象となるかは全く不明です。
しかし、ミドルレンジモデルながら魅力あるモデルになっており、既にsoftbankから「Redmi Note 9T」という販売事例もあることから4機種すべては難しくても、「Redmi Note 10 Pro」あたりは販売される可能性もあるのではないでしょうか。
最後に参考までに発表された4機種のスペックを下記表にまとめておきます。
モデル名 | Redmi Note 10 | Redmi Note 10S | Redmi Note 10 5G | Redmi Note 10 Pro |
価格 | 199~279ドル (約21,600~30,300円) | 229~279ドル (約24,900~30,300円) | 199~229ドル (約21,600~24,900円) | 279~329ドル (約30,300~35,800円) |
OS | MIUI12 (Android11) | MIUI12 (Android11) | MIUI12 (Android11) | MIUI12 (Android11ベース) |
発売日 | 2021年3月 | 2021年3月 | 2021年3月 | 2021年3月 |
縦 | 160.46mm | 160.46mm | 161.81mm | 164mm |
横 | 74.5mm | 74.5mm | 75.34mm | 76.5mm |
厚さ | 8.29mm | 8.29mm | 8.92mm | 8.1mm |
重さ | 178.8g | 178.8g | 190g | 193g |
ディスプレイ | 6.43インチ AMOLED DotDisplay 2400×1080ピクセル (409ppi) | 6.43インチ AMOLED DotDisplay 2400×1080ピクセル (409ppi) | 6.5インチ DotDisplay 2400×1080ピクセル (405ppi) | 6.67インチ AMOLED DotDisplay 2400×1080ピクセル (395ppi) |
メインカメラ | クアッドカメラ 4800万画素(広角) 800万画素(超広角) 200万画素(マクロ) 200万画素(深度) | クアッドカメラ 6400万画素(広角) 800万画素(超広角) 200万画素(マクロ) 200万画素(深度) | トリプルカメラ 4800万画素(広角) 200万画素(マクロ) 200万画素(深度) | クアッドカメラ 10800万画素(広角) 800万画素(超広角) 500万画素(マクロ) 200万画素(深度) |
フロントカメラ | シングルカメラ 1300万画素 | シングルカメラ 1300万画素 | シングルカメラ 800万画素 | シングルカメラ 1600万画素 |
CPU | Snapdragon 678 | MediaTek Helio G95 | MediaTek Dimensity 700 | Snapdragon 732G |
メモリ | 4GB・6GB | 6GB・8GB | 4GB | 6GB・8GB |
ストレージ | 64GB・128GB | 64GB・128GB | 64GB・128GB | 64GB・128GB |
バッテリー | 5000mAh 33W有線急速充電対応 | 5000mAh 33W有線急速充電対応 | 5000mAh 18W有線急速充電対応 | 5020mAh 33W有線急速充電対応 |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac | 802.11 a/b/g/n/ac | 802.11 a/b/g/n/ac | 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.0 | 5.0 | 5.0 | 5.1 |
生体認証 | 指紋認証・顔認証 | 指紋認証・顔認証 | 指紋認証 | 指紋認証・顔認証 |
防水防塵 | IP53(防塵・生活防水) | IP53(防塵・生活防水) | 非対応 | IP53(防塵・生活防水) |
接続端子 | USB type-C | USB type-C | USB type-C | USB type-C |
カラーバリエーション | オニキスグレー ペブルホワイト レイクグリーン | オニキスグレー ペブルホワイト オーシャンブルー | クロームシルバー グラファイトグレー ナイトタイムブルー オーロラグリーン | オニキスグレー グレイシャーブルー グラディエントブロンズ |
対応バンド | 4G: LTE FDD B1/2/3/4/5/7/8/20/28 4G: LTE TDD B38/40/41(2535-2655MHz) 3G: WCDMA B1/2/4/5/8 2G: GSM 850 900 1800 1900 MHz | 4G: LTE FDD B1/2/3/4/5/7/8/20/28 4G: LTE TDD B38/40/41(2535-2655MHz) 3G: WCDMA B1/2/4/5/8 2G: GSM 850 900 1800 1900 MHz | 5G:n1/3/28/41/77/78 4G: LTE FDD B1/2/3/4/5/7/8/20/28 4G: LTE TDD B38/40/41(2535-2655MHz) 3G: WCDMA B1/2/4/5/8 2G: GSM 850 900 1800 1900 MHz | 4G: LTE FDD B1/2/3/4/5/7/8/20/28/32 4G: LTE TDD B38/40/41(2535-2655MHz) 3G: WCDMA B1/2/4/5/8 2G: GSM 850 900 1800 1900 MHz |
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