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スマートフォン

2019年のスマートフォン世界シェアを振り返りトップメーカーの勢いを考える


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2019年スマートフォントップメーカー達

日本国内はコロナ禍から緊急事態宣言も解除され、徐々に経済再開に向けて動き出した感もありますが、世界を見るとコロナ問題真っ只中でスマートフォン市場でも新機種の開発、発表そして発売すべてに影響が出てきていると言えます。
日本国内も第2波は来ると言われており、コロナとの闘いも予断を許さないところですが、2020年のスマートフォン市場に目を向ける前に2019年のスマートフォン世界シェアの状況を振り返り、トップメーカーのシェア、勢いについてみていきましょう。

2019年のスマートフォン世界シェアを3行でまとめると、、、

  • 通年で1位はサムスンのまま変わらず
  • Huaweiはアメリカによる制裁の影響が下期になって顕著に
  • Appleは年明けから3位に甘んじていたもののiPhone11発売後は猛追

2019年第1四半期(1月~3月)

2019年第1四半期世界シェアの状況

2019年第1四半期では2018年下期に発売されたGalaxyNote9が好調なサムスンが安定の1位を維持する一方でLeicaとの協業によるカメラ機能の強化等、性能と人気ともに勢いが止まらないHuaweiがAppleを抜いて2位に躍進するという大きな動きがあった期でした。
Huaweiの目覚ましい勢いと日本国内では不動のトップシェアを誇るiPhoneを擁するAppleが3位に転落するという年明け早々波乱を感じさせる結果が出ていました。

2019年第2四半期(4月~6月)

2019年第2四半期世界シェアの状況

5月にアメリカのトランプ大統領が対中貿易における関税の大幅な引き上げを表明し、Huaweiなどの中国企業に対して名指しで制裁・禁輸措置を行う大統領令に署名を行うことでその後現在も含めて長く尾を引くHuawei問題が始まりました。
しかし、Leicaクアッドカメラを擁するP30シリーズの発表などもあり、この時点ではシェアは減少に転じているものの数字の上では大きな影響は出ておらず引き続きHuaweiのシェアは第2位を維持しています。
(この後、P30シリーズのフラグシップモデル「P30 Pro」の取り扱いを決めていたdocomoでは発売が大幅に遅れるという影響を受けることになりました。)
Huaweiよりも第1四半期にHuaweiに2位の座を奪われたAppleのシェア凋落が止まらず大幅減となっています。
トップメーカー以外の動きではOPPOのサブブランドであるRealmeがそれまでランキングに全く入っていなかったところからいきなり大幅な出荷台数増によってLGエレクトロニクスなど複数の有名企業を飛び越してランキングに入ってきたのも注目度の高いニュースとなっていました。

2019年第3四半期(7月~9月)

2019年第3四半期世界シェアの状況

Huawei問題によりアメリカからの制裁・禁輸措置に加えてGoogle系アプリが新機種に搭載不可能となったHuaweiですが、この第3四半期は不思議なことにシェアが大きく回復しています。
これはグローバル市場の売れ行き減少を中国市場に注力することでカバーし、Huaweiの健在ぶりをアピールするような結果となりました。
純粋にスマートフォンの魅力を考えた場合、Huaweiのスマートフォンを購入できないのは世界各地のスマートフォンユーザーにとって損失とも言えますが、Huawei問題によるジレンマが継続されている状況となっています。
なお、1位のサムスンは2位以下の影響をほとんど受けていないかのような安定した売れ行きを見せ、3位のAppleは第2四半期の落ち込みが大きすぎたことによる反転か、9月の新型iPhone発表による効果か、売れ行きが増加に転じています。

2019年第4四半期(10月~12月)

2019年第4四半期世界シェアの状況

第4四半期はこれまでの期と大きく違う結果となり、Appleが新型iPhoneとなるiPhone11シリーズの発売により猛追を行うという結果になっています。
第4四半期単体で見た場合、Appleがダントツで1位になるという順位そのものを塗り替える結果となっています。
サムスン、HuaweiはAppleの躍進と入れ替わるようにシェアを落としています。
Huaweiの場合は、Appleの躍進だけではなくHuawei問題による影響がどんどんグローバルでは顕著になってきていることも一因と言えるでしょう。

2019年通期(出荷台数)

2019年通期の世界出荷台数の状況

2019年を通期で見てみると、サムスンが安定して成長していたものの、Appleの追撃により年末に減少に転じ、Huaweiは5月以降、Huawei問題に苦しめられ、中国市場に向けた成長を狙ったものの最終的には減少に転じてしまいました。
Appleは年明けに2位に転じてから低迷していましたが、第4四半期の急角度成長が2020年に入ってからどこまで継続できるかが注目ポイントと言えるでしょう。

2019年通期(シェア)

2019年通期の世界シェアの状況

出荷台数の推移だけを見るとAppleがiPhone11発表まで雌伏の時を超え、その後は圧倒的に見えてしまうのでシェア別の状況も見てみましょう。
さすがに第4四半期だけで通期のシェアそのものを覆すことはできず、トップ3の順位は1位サムスン、2位Huawei、3位Appleのままとなっています。
ただ、第3四半期から第4四半期のグラフの傾きを見ると、ハイエンド向けにはS20やGalaxyFold、ミドルクラス以下にはGalaxyAシリーズを展開することでハイエンド・ミドル以下どちらに対しても好調をキープしているサムスンはこのまま1位を維持し続けるとしても、2位のHuaweiと3位のAppleは再び入れ替わりもあり得る状況となっています。

(参考)日本国内の状況は世界シェアとは全く異なる

日本国内のスマートフォンシェアの状況は世界と異なる

世界のスマートフォンのシェア状況を見てきましたが、少し視点を変えて日本国内の状況も参考に見てみましょう。
日本国内は独特な市場状況となっていて、Appleが圧倒的なシェアを誇っています。
世界ではその他大勢にしかならないシャープ、SONY、富士通といった日本メーカーもしっかりした存在感を示しており、世界トップのサムスンが3位に甘んじているのも特徴と言えます。
国内ではサムスンに決して負けていないこれら日本国内メーカーにはもう少し世界市場でも存在感を見せてもらいたいところです。

まとめ:2019年通期を振り返って

2019年の世界のスマートフォンのシェア状況をここまで振り返ってきました。
HuaweiとAppleの2位と3位の入れ替えから始まった2019年ですが、Huawei問題がこのまま続けば再び入れ替わりはあり得るでしょう。
Huaweiはスマートフォンのカメラ機能としては圧倒的ともいえるP40シリーズを発表しましたが、Google系のアプリ・サービスが搭載できない不利をグローバルで覆すのはかなり難しいでしょう。
純粋な性能や人気ではなく、貿易問題のような外部要因で順位が入れ替わるのはユーザーには不利益でしかないため、Huawei問題に早め決着がつき、健全な競争によって順位がつくことを希望します。

Huawei問題以外では、コロナ禍による影響で新機種の開発等に遅れが出ると日本では始まったばかりの5G通信サービスにも水を差すことなりかねません。
2020年はどんなシェアの奪い合いによるドラマ見せてくれるのか、コロナへの警戒と同じぐらい注目してスマートフォントップメーカーの動向を見守っていきましょう。


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