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色々あって分かりにくいスマホの「急速充電」規格をまとめてみる!

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スマホの急速充電器
スマートフォンの高性能化にともなってバッテリー容量もどんどん大容量化していっています。
バッテリー容量が多くなると充電にかかる時間も当然伸びてくるわけで、手持ちの充電器が「急速充電」に対応しているかどうかは快適なスマホライフを送る上で非常に重要な要素になっています。
しかし、「急速充電」規格はどれを選べばいいのか悩むことが多いのではないでしょうか?
そんな「急速充電」規格にはどういったものがあるのか、どう定義すれば良いかを紹介していきます。

スマホの「急速充電」規格を3行でまとめると、、、

  • USBの共通規格としては「USB PD」
  • 充電機器側からの規格には「Quick Charge」「PowerIQ」が有力
  • スマホメーカー独自の規格は専用端末に対しては有効

スマホの「急速充電」規格の基本情報

スマートフォンの充電はiPhoneの場合はLightning端子、Androidスマートフォンの場合はUSB端子から行われます。
両者ともデータ伝送に使用されるLightning・USBケーブルを使うことになります。
そのため、電力供給方法はUSBの規格に則って行われることになります。

しかし、元々USB規格は電力供給用の仕組みではなく、データ伝送用の規格で「電力供給も行える」規格になっています。
そのため、現在のスマホの充電事情のように大容量の電力供給用には作られていないという事情がありました。
そういった事情もあって後追いで急速充電の仕組みや規格が整備されていき、複数の規格が混在するような状況となっています。

スマホの「急速充電」と「通常充電」の境目はどこ?

元々USB規格自体がデータ伝送がメインで、大容量の電力供給を想定していなかった規格(パソコン業界では、大容量の供給が必要なパソコン周辺機器の場合、別途電源ケーブルが用意されていた)ため、電力供給能力としてはかなり控えめな能力でした。

USB2.0で「5V×0.5A=2.5W」、USB3.0になっても「5V×0.9A=4.5W」が規格としての最大供給能力でした。

そのため、少し古めの充電器や充電ケーブル(100円均一ショップなどではよく見られる)では、「1A急速充電対応」とか「急速充電(1.5A)対応」という文字を見ることがあります。
しかし、ここでいう「急速充電」はUSBの標準規格から見て、電力供給能力が多いことをアピールしているものであり、現在の「急速充電」の基準には達していないと判断すべきです。

では、「急速充電」と「通常充電」の境目はどこになるのでしょうか?
Qualcommが提供している「Quick Charge」の初期バージョン(Quick Charge1.0)の数字が目安になるでしょう。
Quick Charge1.0では、「5V×2A=10W」と、USB3.0の倍以上の電力供給能力がありました。

つまりワット数では「10W以上」、アンペア数では「2A以上」「急速充電」を名乗れる最低基準と言えます

スマホの「急速充電」規格:USB PD

USB規格の電力供給は元々補助的な機能であり、大容量の電力供給は想定していないことは既に紹介しましたが、規格として拡充したものが「USB PD」です。

正式名称は「USB Power Delivery」で、USB経由でノートパソコンを充電することまで想定しており、最大で「20V×5A=100W」まで電力供給能力を拡張しています。

さすがに100Wでスマホを充電してしまうことはスマホ側のバッテリーなどの安全基準等の事情から受け入れが難しいため、「USB PD」の能力をフルに活用してスマホ充電を行うことはできませんが、「USB PD」に対応すればUSB規格側による制限で急速充電が行えないということはなくなります。

現在のところ、スマホ向けの「USB PD」で行える電力供給の最大は18W程度となっています。

なお、「USB PD」を利用するには「充電器」と「スマホ」、そして両者をつなぐ「充電ケーブル」のいずれも「USB PD」に対応している必要があります。
スマホは対応機器が増えてきているため、新しい機種であればあまり意識する必要はありませんが、「充電器」と「充電ケーブル」は「USB PD」マークがついていることを意識しましょう。

特に「充電器」は意識しやすいですが、「充電ケーブル」は意外に忘れがちなので、せっかく「充電器」を「USB PD」に対応しているいいものを購入しても、「充電ケーブル」が100円均一の「急速充電1A出力対応」のものでは意味がありませんので注意が必要です。

スマホの「急速充電」規格:QuickCharge

アメリカのQualcommが策定した急速充電規格が「QuickCharge」です。
QualcommはAndroidスマートフォンにCPUを供給しており、対応しているCPUを搭載しているAndroidスマートフォンでは、スマホ側は自動的に対応機種となるため、Androidスマートフォンを利用している場合は、あとは対応する充電器を購入するだけで急速充電が利用可能になるという選びやすさがあります。

Qualcomm自身は最終製品の充電器を販売している会社ではないため、スマホ側のCPUを通じて対応機器を増やしつつ、充電器を販売するメーカーが規格を採用することで対応機器が増えていくという戦略をとっています。

そのため、対応機器は様々なメーカーから販売されており、急速充電といえば「QuickCharge」というイメージを持つ方も多いでしょう。

USB規格側で「USB PD」が策定されたことで、別に独自規格を作る意義については議論もあるでしょうが、対応機器の普及速度を考えると急速充電を普及させた意味はあったと考えられます。

QuickChargeは、現在1.0~4.0までの4つのバージョンがあり、1.0~3.0までは順調に最大出力を増やしていっています。
1.0では「5V×2A=10W」で、「急速充電」を定義する上で現在の最低基準と言えます。
2.0では「9V×2A=18W」まで出力を向上させています。
3.0では「18W」なのは2.0と同じですが、電圧の調整が200mVごとに行われるようになり、より細かな調整が行われるようになっています。

この3.0までは下位互換が維持されているため、QuickCharge1.0の機器でもQuickCharge2.0や3.0の充電器で急速充電を行うことができます。
(充電速度は下位側の1.0になりますが)
そのため、スマホなどの機器側と充電器のバージョンを意識する必要がなく、「悩んだら上位版を購入すればよい」ぐらいに考えておけば問題ありません。

しかし、QuickCharge4.0については注意が必要です。
「USB PD」との互換性を獲得した結果、3.0までの互換性がなくなり、おなじ「QuickCharge」でも3.0までの下位規格対応機器に対しては「通常速度」での充電となります。
QuickCharge4.0の機器を購入する場合は手持ちのスマートフォンなどの機器がどのバージョンになっているかを確認してから購入しましょう。

スマホの「急速充電」規格:PowerIQ

PowerIQは、アメリカの充電機器メーカーAnkerが独自に策定した規格です。
厳密には「急速充電」規格ではなく、接続した機器が対応可能な最大スピードで充電を行うことができる機能となっています。

QuickChargeとは異なり、機器側が対応する規格としてPowerIQというものがあるわけではありません。
PowerIQの充電器があれば、相手側がQuickChargeだろうが、USB PDだろうが関係なく、PowerIQがサポートできる最大速度で充電すること可能となっています。

QuickChargeはAndroidスマートフォンで、対応するCPUが使われていることさえ知っていれば、あとはあまり意識することなく急速充電ができる仕組みでしたが、PowerIQの場合は、極端な言い方をすれば、QuickChargeに対応しているかどうかも意識する必要がないという点が、利用者への負担を軽減してくれる仕組みといえます。

PowerIQは、現在1.0~3.0までの3つのバージョンが存在します。
QuickChargeと違い、Anker製の充電器に限られてしまいますが、PowerIQに対応していることは購入時期の異なる複数のタブレットやスマホなどの機器に対して急速充電が可能と言えます。

1.0は「5V×2.4A=12W」まで出力が行えます。
2.0は「9V×2A=18W」まで出力を向上させ、QuickCharge3.0と互換性を持つことで、QuickCharge対応機器への充電がスムーズに行えるようになりました。
3.0は、QuickCharge3.0に加えて、USB PDとも互換性を持ち、USB PDの最大100Wまで出力が可能となり、スマホやタブレットのみならず、PCへの給電も行えるようになりました。

QuickChargeが4.0で同じようにUSB PDに対応しつつも、下位互換性を手放してしまったこととは対照的にUSB PDとQuickCharge3.0のどちらにも対応可能としていることはPowerIQの大きなアドバンテージということができるでしょう。 ただ、PowerIQ3.0は発表されたばかりのため、対応機器が出そろってくるのはこれからとなります。
登場し始めの機器は値段が高めに設定されてしまうことが多いため、しばらくの間は値段と将来性ともバランスを取りながら購入の決断をすることになりそうです。

スマホの「急速充電」規格:スマホメーカー独自系

特殊な事例となりますが、海外スマホメーカーが自社スマホ用の特別機能として急速充電機能を提供する場合もあります。
HUAWEIやOPPO、ASUSなどが提供している機能がそれにあたります。
具体的な機能をあげると、下記のような機能名、内容でいずれも強力な急速充電機能を提供してくれます。
・HUAWEI「Super Charge」機能により「10V×4A=40W」を提供
・OPPO「Super VOOC」機能により「10V×5A=50W」を提供
・ASUS「BoostMaster」機能により「9V×2A=18W」を提供

これらの機能を提供しているメーカーのスマホを選ぶ場合、標準規格では実現できない急速充電が可能となるため、自分のスマホや購入を検討しているスマホが対応している場合に使わない理由はないでしょう。

まとめ:スマホの「急速充電」規格は何を選べば正解?

急速充電の定義や規格のあれこれを説明してきましたが、まとめとしては急速充電機能を使う場合、ケーブルや充電器に書かれている「急速充電対応」という言葉には惑わされず、2A未満の表示であれば「急速充電ではない」として扱ってください。

最後に紹介したスマホメーカー独自の急速充電機能は特殊な例となるため、それを目的にするのではなく、機能として対応していれば利用するぐらいにしておけばいいでしょう。

あとは、USB PD、QuickCharge、PowerIQのどのマークがついている商品を選ぶかとなりますが、利用しているスマホやタブレットの対応内容にUSB PD、QuickChargeの記載があれば、その記載にあわせて充電器を選べばいいでしょう。

Ankerの充電器を選ぶ場合や自分のスマホ、タブレットがどれに対応しているかわからない、もしくは記載がバラバラなど悩む場合は、PowerIQを選ぶといいでしょう。
特に今後出てくるPowerIQ3.0の商品はUSB PD、QuickChargeどちらにも対応しているため、長く急速充電機能を使うことが可能となるため、おすすめできます。

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