Xiaomiは、業界最速の200Wの有線急速充電や半径数m以内の空間のデバイスをリモート充電するMi Air Charge Technologyなどを発表しており、充電技術を牽引するスマートフォンメーカーとなっています。
そして、新たに同社はコンセントからの電源供給なしにデバイスを充電するサウンド充電技術の開発に取り組んでいたことが明らかになりました。
Xiaomiは、CNIPA(国家知識産権局)に“音”を使用してデバイスを充電する技術の特許を申請していたことが2021年6月18日に明らかになりました。
この特許が申請されたのは2019年12月であり、随分と前から研究開発を行っていたことが伺えます。
CNIPA(国家知識産権局)により公開された特許の要約には、「周囲の音を機械的振動に変換し、機械的振動をエネルギー変換装置に伝導します。エネルギー変換装置は、機械的振動を交流(AC)に変換し、それを電力変換装置により直流(DC)に変換される。」と説明されています。
つまり、Xiaomiは、音から振動を集め、その振動を電気エネルギーに変換する小型発電機をスマートフォン等のデバイスに搭載することで、電源アダプターから電力を供給することなく”音”で充電を行おうとしていることです。
あまりに近未来的な発想であるため、想像し難いですが、日本でも2021年2月に東北大学未来科学技術共同研究センターが周辺の振動を電気エネルギーに変換する高出力マイクロ自立発電機(マイクロ・エナジー・ハーベスタ)を開発したと発表しています。(→東北大学のプレスリリース)
その他、世界各国の大学や研究機関などからも同様の研究が行われており、実現可能性は十分にありそうです。
ただし、Xiaomiの研究は直接、振動を電気エネルギーに変換するのではなく”音”から振動を収集することや、SoCの高性能化や5Gの普及により4,000mAh以上のバッテリーを搭載するスマートフォンが多い昨今、音の振動での充電速度が実用的であるかなど懸念点が挙げられます。
この特許を申請したからと言って必ず商用化されるとは限りませんが、電源なしで充電を行おうとする新たなソリューションに挑戦する取り組みはXiaomiらしさが伺えます。
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