ここ数年のスマートフォン業界はいかにして完全な全画面ディスプレイを実現するかという話題で持ちきりです。そして共通する問題点はやはり、「インカメラをいかにして画面から追い出すか」という1点に絞られています。
そんな中、全画面ディスプレイの実現に深くかかわることになるかもしれない、というXiaomiの特許が公開されました。
6月8日にVisionoxが画面下インカメラを実現するディスプレイの量産体制に入ったと発表して間もないですが、今回の特許は完全な全画面スマートフォンの実現のためのもう一つのソリューションとなりうるのかでしょうか。
簡単に特許の内容をご紹介します。
6月23日、中华人民共和国国家知识产权局に公開されたXiaomiの特許文書によれば、構想中の端末は背面に回転式カメラモジュールを備え、インカメラをディスプレイから追い出す方法としてはかなり斬新なものになっています。
このカメラモジュールは360度自由に回転することができます。
基本的には背面パネルに固定され一般的なスマートフィンのように配置されているようです。
また、インカメラも背面カメラの裏側に格納されており普段は見えませんが、使用時は回転し端末上部あるいは端末の左右から姿を見せます。
ポップアップ式と比べての利点を考えると、
- カメラモジュールを上下させるより回転させたほうが端末への負荷が少ない可能性
- 回転式のほうが防水・防塵機能との相性が良い可能性
- カメラモジュールそのものを本体に内蔵しなくて済むためスペースの無駄を削減できる
しかし、いずれもそこまで大きな改善となるかと問われると微妙なところです。
ご存知のように、特許として発表されたりリークされた技術のほとんどは、日の目を見ることなくお蔵入りとなります。
この特許に関しても、約1年前の去年6月に申請されたもので、近頃の巨大化しつつあるカメラモジュールとの相性はあまりよくなさそうであることなども踏まえると、実売にまでこぎつける可能性はあまり高くないといえそうです。
そもそも回転式カメラといえばAsus ZenPhone6が似たようなシステムを先に実現してしまっており、ZenPhone6の回転式カメラには、性能のより優れたアウトカメラをインカメラとしても使うことができるという大きな利点があります。
個人的にはZenPhone6は一種の完成形と呼ぶことができる仕組みを実現しているように感じますが、同じような構造を採用したそれ以降機種は見かけません。
やはり、飛び出たり回転したりという不安定な部分のあるスマートフォンは「完全」とは受け取られないということなのでしょう。
だとすれば、「完全」な全画面スマートフォンは画面下インカメラ一択ということになりそうですね。
いずれにしても、ノッチやパンチホールに強い抵抗感があり最近のパンチホールブームを少し残念に思っている筆者としては、完全な全画面ディスプレイの機種がスタンダードになる日が1日でも早く来ることを願ってやみません。
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