なかなか、スマートフォン業界として例を見ない事件が起こったので今回はことの顛末をお届け致します。
6月15日、中国とインドの国境にて中印の部隊が衝突し、インド側死者20名(中国側死者未公表)を出した国境問題が勃発
18日、インド ラムダス・アータワーレー大臣はインド国内で全ての中華料理店、中国商品を販売する店舗、ホテルを閉鎖し、その他の中国製品をボイコットすべきだと述べました。
また、全インド商人連盟(CAIT)もボイコットキャンペーンを開始し、ボイコットする商品をリストアップし、インドの全ての人にボイコットするように求めており、インドのTwitterでは「#BoycottChina」がトレンド入り。
そして、これまで多く中国製品がインド国内にて破壊、不買運動がされていました。
前置きが長くなりましたが、本題はここから。
XiaomiはRedmiやPocoなどのサブブランドを中心にインド市場でのシェアを伸ばしているスマートフォンメーカーですが、当然中国企業であるためインド国内ではボイコットや抗議活動の対象となります。
それを恐れたXiaomiは、まさかの行動に。
なんと、Xiaomiは「Made in India」を大々的に掲げ始めたのです。
それだけならまだしも。。。と言いたいところですが、実店舗にも「Made in India」の看板を大きく設置
さらに、スマホの化粧箱にまで「Made in India」のシールを貼る徹底ぶり。
さらにさらに、Xiaomi IndiaのトップであるManu Kumar Jain氏が突然、インド工場ツアーと銘打って、全ての宗教を尊重していること、インドを愛していることをアピール。(※彼自身はインド産まれのインド人です。)
そして、6月24日 同氏はインドにて発売した「Redmi Note 9 Pro Max」が僅か50秒で全ての在庫がなくなったことを報告。
反中感情が高まっているインド国内だとしても、今までの人気の高さやXiaomi Indiaの「Made in India 作戦」やManu Kumar Jain氏の言動が功を奏したのでしょうか。
しかし、これが怒りを買うことに。
もとより、Xiaomi Indiaの「Made in India 作戦」を良しとしないインド国民の批判意見がJain氏に多く寄せられていましたが、同氏の50秒で完売ツイートの後(6月27日)に前述したボイコットリストを提供している全インド商人連盟(CAIT)が声明を発表。
全インド商人連盟(CAIT)は、「Jain氏はインド人の国民感情を無視し、ビジネスのための発言を繰り返し、勇敢なインド兵の犠牲や殉職を軽視したもので、不名誉に値する。」と痛烈に批判。
CAIT副主席のB. C. Bhartia氏は、彼の発言を「insensitive, disrespectful」であると表しました。
直訳すると、「無神経で無礼」
CAIT全国事務総長のPraveen Khandelwal氏は、「国全体がインド兵に対する中国兵の残虐行為に深く悲しんでいるのに、Jain氏は国民感情を軽視して中国企業を喜ばせようとしている。」とコメント
また、CAITのBhartia氏とKhandelwal氏は、「インドと中国が衝突して以来、中国企業のインド法人 CEOは沈黙を守り状況を悪化させるコメントをしなかった。Jain氏は自分のことをインド人だと言いますが、中国と中国製品の擁護を絶えず試みている。」と述べました。
その後、彼のツイートにはインド国民からの多くの批判リプライが寄せられています。
一方、中国Weiboでは「#小米印度制造声明遭当地炮轰#」のハッシュタグが作られ「Xiaomiはインドで大きな雇用を創出しているのに利害関係者によってインドから攻撃された。」との主張がなされています。
「Made in India作戦」でインドに寄り添ったものの、思わぬ方向に進んでしまった今回の件。
果たして、Xiaomi Indiaはどうすることが吉だったのでしょうか。
OnePlus Indiaやrealme Indiaのように余計なことはせず、沈黙を貫くべきだったのでしょうか?
ちなみに、OnePlus Indiaは沈黙を守りつつも、6月25日にAmazonインドでOnePlus 8シリーズをオンライン発売。約7分で完売しつつXiaomi Indiaのようなことは起こっていません。
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