AppleやQualcommなどのチップ生産を受託している台湾の半導体メーカーTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)は台湾の南部科学工業園区(STSP)にある3nmチップの製造工場の完成を記念する式典を開催しました。
TSMCの創業者であり会長の張忠謀(Morris Chang)氏は、式典にて「世界で最も先進的なロジックプロセスを使用する工場であり、同社が半導体業界でリーディングカンパニーであることを継続して示すだろう。」と語っています。
この製造工場では、2022年までに3nmプロセスノードで製造するチップの商業的な大量生産を開始する予定です。
TSMCは、以前3nmプロセス技術の開発ロードマップを発表し、2021年までにリスク生産を開始し、2022年下半期までに大量生産を行うと明かしています。
この計画通り、今回完成された工場で3nmチップのリスク生産(特定の顧客からの発注ではなく、独自に先行試験として行う生産)を開始するものと見られます。
TSMCによると、3nmは5nmと比較して集積回路上のトランジスタ数は15%向上、パフォーマンスは10%~15%向上、エネルギー効率は20~25%向上すると伝えられています。
Appleは、iPhoneに搭載するチップをTSMCに製造委託しており、
iPhone 12シリーズに搭載されるA14はTSMCの5nmプロセスによって製造されています。(HUAWEI Mate 40シリーズに搭載されるKirin 9000も)
前例を踏まえると、2022年に発売予定のiPhone 14(仮)に搭載するであろうA16が3nmプロセスで製造されるとの予測ができます。
一方、QualcommのSnapdragon 865はTSMCの7nmプロセスで製造されていましたが、2020年12月発表予定のSnapdragon 875はSamsungの5nmプロセスで製造されると報じられています。
多くの消費者にとって、普段使いではもはやオーバースペックとも言えるフラグシップ機のパフォーマンスですが、その進化はとどまることを知りません。
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