ここ数年で指紋認証技術は急速に発展し、今ではほとんどのスマートフォンにディスプレイ指紋認証が搭載されています。
ディスプレイ指紋認証は、ディスプレイ上の特定の範囲でのみ動作していましたが、新たなテクノロジーにより認証範囲の制限がなくなるようです。
中国に拠点を置く天馬微電子(Tianma Microelectronics)は、ディスプレイ上に複数の認証センサーを配置し、複数の範囲でのディスプレイ指紋認証を可能とする「マルチポイントディスプレイ指紋認証ソリューション」を開発しました。
同社の発表によると、TFT液晶ディスプレイ基盤に画面内センシングソリューションの画像処理コンポーネントが埋め込まれており、タッチ、ディスプレイ、指紋センサーの機能を同時に実現できるとのこと。
複数範囲のディスプレイ指紋認証技術も凄いですが、この技術がLCD(液晶ディスプレイ)用であることが注目です。
従来の技術では、OLEDディスプレイでのみディスプレイ指紋認証をサポートし、液晶ディスプレイではサポートされていませんでした。
そのため、液晶ディスプレイ採用のミドルレンジ機では必然的にディスプレイ指紋認証には非対応でした。
しかし、これが天馬微電子(Tianma Microelectronics)のテクノロジーによって変わるかもしれません。
(※2020年3月9日に、Xiaomi傘下のRedmiは液晶ディスプレイでの画面内指紋認証を実現する技術の開発に成功したと発表。しかし、7月現在、商用化なし。)
また、2020年6月には華星光電(CSOT)も複数の認証センサーを配置したディスプレイ指紋認証を液晶ディスプレイに搭載することに成功しています。
それぞれのメーカーが量産に成功しているかどうかは不明ですが、2021年年には液晶ディスプレイでの画面内指紋認証の搭載や、複数範囲でのディスプレイ指紋認証に対応したスマートフォンが登場するかもしれません。
source(1)