Samsungが次の主力シリーズとして推し進める「Galaxy Z Fold」や「Galaxy Z Flip」といった「フォルダブルスマートフォン」は新しい構造のスマートフォンであるがゆえに様々な問題を抱えています。
初号機の「Galaxy Fold」ではテストモデルのころから折り畳み部のディスプレイ部分の耐久性について問題が発生しましたし、現行モデルの「Galaxy Z Fold 2」でも改善ははかられているものの構造的に堅牢とは言えない状況です。
また複雑な構造である分、重く分厚くなりがちといったサイズ面の問題や、高価すぎて購入できるユーザー層が限られてしまうといった問題もはらんでいます。
フォルダブルスマートフォンの商品化にこぎつけたメーカーが限られている原因には、技術的に難しいことに加えて、現段階ではメインストリームモデルに据えるには難しいと判断されている可能性もあるのでしょう。
とはいえ、諸問題は1つずつ解決していくしかことも事実で、フォルダブルスマートフォンを牽引している立場にあるSamsungでは、次期モデル「Galaxy Fold 3」や「Galaxy Z Flip 2」で耐久性・堅牢性の改善を推し進めていると考えられる動きをオランダメディアLetsGoDititalが報じています。
どういった動きが報じられているかというとSamsungが韓国、アメリカ、ヨーロッパで複数の商標を申請しているという情報で、以前に特許申請が報じられたフォルダブルスマートフォンへのSペン格納方式のようにフォルダブルスマートフォンに直接的に言及したものではありません。
しかし、いずれも商標説明には「スマートフォン」に関連する技術の商標であることが記載されており、商標の名称からも耐久性や堅牢性に寄与するであろうことが予想されるものになっています。
それでは、申請された商標を順に見ていきましょう。
まず2021年4月13日に申請された商標が「Armor Frame」という商標で、商標説明にも「スマートフォンフレーム」と記載されています。
特許申請ではなく、商標としての申請であるためどういった技術を指すのかについての記載はありませんが、スマートフォンフレームに対する堅牢性を向上させる仕組みに対して商標の申請を行ったとみることができるでしょう。
フォルダブルスマートフォンのヒンジ部を含めたフレームに対する強化フレームの一種であることをLetsGoDititalでは記事の中で推測しています。
次に2021年4月27日に申請された商標が「Pro-Shield」という商標です。
商標説明には「スマートフォンフレーム」という記載以外に「スマートウォッチ」「スマートウォッチフレーム」という記載も確認することができます。
LetsGoDititalの記事によるとおそらくはアップルがiPhone12シリーズに採用した「CeramicShield」のようなスマートフォンやスマートウォッチに対する傷に対する強度を強化する仕組みに対するものであろうと推測しています。
スマートウォッチにも関連する記載があるあたりを見ると、Galaxy Watchシリーズの次期モデルにも採用される可能性があるのかもしれませんね。
最後に2021年4月29日と30日に申請された商標が「Armor Skin」と「Amor Layer」になります。
この2つの商標についてもスマートフォンやスマートウォッチに関連するものとして説明が記載されています。
おそらくは先に申請が行われている「Armor Frame」の一部であり、フレームの強靭性を複合的に高めるための技術に対する商標申請であろうと推測することができます。
商標のそれぞれの差異がどういったものかは不明ですが、名称から推測すると「Amor Layer」がフレーム内の内部構造に対する構造強化を行う仕組みを指し、「Armor Skin」がフレームの表面部分に対する強化層を指すのかもしれません。
これらどの商標申請にもフォルダブルスマートフォンや次期モデル「Galaxy Fold 3」や「Galaxy Z Flip 2」に採用することを示す記述は見つけられていません。
しかし、Samsungからフォルダブルスマートフォンが商品化され、次で3代目になるモデルで課題の1つとなっている耐久性・堅牢性の解決策の1つとして採用される可能性は低くないと考えることができます。
現在のところ「Galaxy Fold 3」や「Galaxy Z Flip 2」の発表は2021年7月頃と考えられているため、答え合わせにはまだ時間が必要な状態ですが、Unpackedイベントの説明で今回報じられた商標が商品説明の中で語られるのか、楽しみに待つ材料が増えたと言えるでしょう。