できるだけ画面を大きく見やすく、でもコンパクトに。
これがスマートフォンの必須条件であり、現在メーカー各社が追い求めている理想形のひとつです。今の技術ではフロントカメラをディスプレイに内蔵することが難しく、ノッチやポップアップカメラ、パンチホールデザインを採用することで、コンパクトに可能な限りの大画面を実現しています。
そしてつい昨年に商用化にこぎつけたのが、ディスプレイを折りたたむ新技術。2018年末に中国メーカーRoyoleがFlexPaiを発表してから、SamsungやHuawei、Motorolaがこぞって折りたたみディスプレイ搭載のスマートフォンを発表、発売しました。
その中でもSamsungは、他社を一歩リードしています。折りたたみディスプレイ搭載スマートフォンとして、Galaxy FoldとGalaxy Z Flipの2シリーズをすでに発売。どちらも同じ機構を採用した端末ながら、ディスプレイサイズと価格帯を変えることで、大きな差別化を実現しています。
特にGalaxy Z Flipはコンパクトさと低価格が売りで、性能は控えめですが折りたたみディスプレイ搭載にしては安めの約18万円。AppleのiPhone 11 Pro Maxの最上位モデルが約16万円であることを考えると、これは法外に高い額ではないようです。
そんなGalaxy Z Flipですが、発売はつい最近のことで、発表も今年2月にされたばかり。
しかし、後継機の開発は既に進んでいるようです。
2020年1月、Samsung ElectronicsはWIPO(世界知的所有権庁)に2つの設計特許を申請しました。
どちらの特許も2020年4月28日に公開され、その中にはいくつかの製品画像も含まれていました。
その中で今回、Galaxy Z Flipによく似た設計画像が見つかりました。これはおそらく後継機種に採用されると予想されています。簡単のためにこれはGalaxy Z Flip 2と呼びましょう。
画像には2つのデザインが示されており、どちらも外側に3眼カメラが搭載されています。
ただし、カメラモジュールとそれに隣接するサブディスプレイの配置は、それぞれ異なります。
下記にその画像を示します。2つのデザインを、1つずつチェックしていきましょう。
どちらのデザインも基本の部分はZ Flipと大差なく、よく言えば安定の、悪く言えば代わり映えのないデザインです。
以下では2つのデザインを、画像にのっとってそれぞれA、Bと表記します。
・Aについて
現行のGalaxy Z Flipによく似たデザインです。水平方向に3つのカメラを配置し、そのすぐ横にサブディスプレイがあります。現行モデルとの差異はカメラの数のみで、順当なアップデートのように見えます。
・Bについて
Aとは異なり、カメラは垂直に配置されています。これにより、サブディスプレイの大型化が可能になっています。これにより、テキストメッセージをより多く表示できるというメリットがあります。
画像からわかることは、以上です。
今回公開された画像では、3つ目のカメラの用途は不明です。現行モデルのGalaxy Z Flipにはそれぞれ12MPの広角と超広角カメラが搭載されていました。このFlip 2の3つ目のカメラはどんな用途のカメラなのでしょうか?
これはおそらく、望遠用途のカメラになると推測されます。なぜならHuaweiも、自社の折りたたみスマートフォンであるMate X(Xs)に望遠カメラを搭載しているからです。
画像からは丸いレンズであることがわかるので、これは少なくともペリスコープレンズではありません。そのため、3倍ほどの望遠レンズだと思われます。
もちろん、スマートフォン用カメラは今も成長が続いています。今後1年間で望遠倍率の大幅な向上も見込めるかもしれません。
今回判明した情報は特許情報なので、Samsung公式のものです。しかしあくまで技術特許なので、このデザインがGalaxy Z Flip 2に採用される保証は、もちろんどこにもありません。
しかし、せっかく費用をかけて取得した特許です。無駄にはされずに、何かしらの点はスマートフォンに採用されるのではないでしょうか。
Samsungは今まで、シリーズで販売している端末は、1年おきに後継機種を発売してきています。
このことから考えると、Galaxy Z Flip 2は、来年2021年の2月にあるMWC(Mobile World Congress)のイベントで正式発表されるのではないでしょうか。
楽しみですね!
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