Samsungが製造するSoC、Exynosシリーズは、Qualcommが製造するSoC、Snapdragonシリーズとの間で、長年の間、性能面の優劣で度々話題となっていました。
つい先日には、Galaxyのフラグシップモデルに搭載されるSoCから、性能が低いとされるExynosを排除するよう求める請願書が作成されているほどです。
そんな色々訳ありなExynosですが、あのGoogle Pixelシリーズに搭載される可能性があるようです。
韓国メディアは、Samsungが将来的に、Exynos SoCブランドを更に拡大させる計画があると伝えています。
そんなSamsungに、はじめの第一歩目に当たる動きが見られました。
とあるリーカーによると、同社はカスタム版のExynos SoCをGoogleと共同開発している動きがあると伝えました。
Snapdragon 865 | カスタム版Exynos SoC | Exynos 990 | |
コア数 | Cortex-A77(4コア) Cortex-A55(4コア) | Cortex-A78(2コア) Cortex-A76(2コア) Cortex-A55(4コア) | Exynos M5(2コア) Cortex-A76(2コア) Cortex-A55(4コア) |
GPU | Adreno 650 | Mali MP20(未発表) | Mali-G77 MP11 |
韓国のリーカーが公開したスペックでは、カスタム版Exynos SoCは5nm LPEプロセスで製造され、Cortex-A78を2つ、Cortex-A76を2つ、Cortex-A55を4つ搭載した合計8コアでの構成となっています。
気になるのはGPU性能です。現時点では未発表となっているMali MP20 GPUが、カスタム版Exynos SoCに搭載されます。
このGPUがどれほどのスペックを持っているかで、性能も左右されます。ここは期待したいところです。
SoC内の人工知能チップなどはGoogleが開発しているものが搭載されるとも報じており、Googleの高度で高品質な人工知能技術が活用されるのではないでしょうか。
しかし、Samsung製のExynosよりも高性能とされる、Qualcomm製のSoCがあるというのに、何故GoogleはExynos SoCを選ぶのでしょうか。
それに関連した気になる記事がありました。
ロイター通信によると、昨年GoogleがBroadcom、Intel、Nvidia、QualcommのSoC技術者を集結させて、スマートフォンやサーバー向けの独自のチップセットを開発し、IntelやMTK、Qualcommなどのベンダーへの依存度を減らす努力をする、と報じています。
Snapdragon 865は5G対応のSoCとして期待されていましたが、予想以上にSoCのコストが高く、必然的に同SoC搭載スマホは各社とも値段が高くなっていました。
ベンダー依存度の改善、コスト面から、GoogleはSamsungのExynos SoCをPixelシリーズ、さらにはChromebookなどにも搭載しようと考えているのかもしれません。
最近、Samsungは、システムLSI事業部(簡単に言うとSoC部門)内に2030年までに世界最大の半導体メーカーになるという目標を掲げた「カスタムSoCチーム」を新設しています。もしかしたらGoogleとの関わりがあるチームなのかもしれません。
ネット上では否定的な声も多いSamsung Exynos。
今回のカスタム版Exynos SoCがリリースされるのはおおよそ1年後と予測されています。
最強のネットの巨人とのコラボで一体どのようなモノが生まれるのでしょうか。ものすごく楽しみです。
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