Qualcommは11月30日~12月1日(日本時間12月1日~)にかけて、米国ハワイ州で開催している「Snapdragon Tech Summit 2021」にてフラグシップスマートフォン向けのSoC「Snapdragon 8 Gen 1」を正式発表しました。
Snapdragon 8 Gen 1は、Arm v9アーキテクチャに基づく4nmプロセスで製造
CPUは「Arm Cortex X2」ベースの技術を用いて、最大3GHzで駆動します。パフォーマンスは前モデル比で20%向上し、省電力性も30%向上しています。
GPUの「Adreno GPU」は前モデル比で30%の高速化し、省電力性も25%向上しています。加えて、レンダリング速度は60%向上しているとのことです。
ゲーム性能は、電力消費を抑えつつ2倍のフレームレートで実行(※または、同じフレームレートを半分の電力消費で実行)できる「Frame Motion Engine」を搭載し、快適なゲームプレイを実現します。
また、没入感のあるサウンドを実現する「Audiokinetic」技術も Snapdragon 8 Gen 1にて初めて採用されています。
通信面では、「Snapdragon 8 Gen 1」は、第4世代の「Snapdragon X65 5G Modem-RF System」を搭載。
第4世代に進んだ5G対応モデム「Snapdragon X65 5G」は、5Gネットワークの下りで世界最速の10Gbps級の通信速度に対応するほか、無線LANでもWi-Fi 6Eで最大3.6Gbpsの速度を実現します。
Wi-FiとBluetoothは前モデルと同じ「Fast Connect 6900」システムを引き続き、採用しています。
カメラは「Snapdragon Sight」と呼ばれる技術が初めて採用されています。
18ビットの画像処理プロセッサ(ISP)が搭載されており、画像処理のスピードは最大で毎秒3.2ギガピクセルとなります。これは、従来(14ビット処理)との比較で4000倍以上のデータ処理を実現します。
そして、AI性能についてです。
「Snapdragon 8 Gen 1」が搭載する第7世代の「Qualcomm AI Engine」は、プロセッサに「Hexagon」が採用されており、AIパフォーマンスは、4倍高速化しているとのことです。
さらに、Leica社と共同で「Leica Leitz Look filters」を導入し、写真撮影においてAIを活用した光やボケ効果などのプロレベルの再現を可能にするとしています。
Qualcommによると、「Snapdragon 8 Gen 1」は、既にBlack Shark、Honor、iQOO、Motorola、Nubia、OnePlus、OPPO、Realme、Redmi、シャープ、ソニー、vivo、Xiaomi、ZTE(※アルファベット順)といったスマートフォンメーカーの製品に採用される事が決まっているとのこと。
また、「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載する最初のフラグシップスマートフォンは2021年12月中のも発表される予定とのことです。
Snapdragon 8 Gen 1 | Snapdragon 888 | |
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製造プロセス | 4nm(Samsung) | 5nm(Samsung) |
CPUコア | Kryo | Kryo 680 |
CPU物理コア数 | 未公表 | 8 |
CPU最大動作クロック数 | 2.995GHz | 2.84GHz |
GPUコア | Adreno | Adreno 660 |
ISP | Spectra | Spectra 580 |
カメラ | 1億800万画素(シングル) 6400万画素+3600万画素(デュアル) 3600万画素×3(トリプル) | 8400万画素(シングル) 6400万画素+2500万画素(デュアル) |
AI処理 | Hexagon(第7世代) | Hexagon 780 |
統合型モデム | Snapdragon X65 5G | Snapdragon X60 5G |
通信仕様 | 5G 下り最大10Gbps | 5G 下り最大7.5Gbps |