OPPOは8月19日、「OPPO Future Imaging Event」を開催し、同社の今後のイメージング技術について明らかにしました。
発表されたのは、RGBWセンサー、連続光学式ズーム、5軸モーション手ブレ補正、画面下インカメラの4つの技術となります。
RGBWセンサー
従来のカメラセンサーにはRGBカラーフィルター(R:赤、G:緑、B:青)が採用されていますが、各メーカーはカメラセンサーのピクセル配置を調整することでカメラ性能を向上させようと研究開発を重ねています。そして、OPPOは元のピクセルの半分をホワイト(W:白)に置き換えたRGBWセンサーを発表しました。
このRGBWセンサーは従来よりも60%も多くの光を取り込み、ノイズを35%削減できるとしています。
ただし、このRGBWセンサーは決して新しい技術というわけではありません。
2015年に発表された「HUAWEI P8」や「OPPO R7」にて初めて採用されたRGBWセンサーですが、より多くの光を取り込むことができた一方で、色の精度が落ちノイズも増えるデメリットがありました。
そのため、後継機でも継続して採用されることはありませんでした。
しかし、同社はそこから改善に改善を重ねて、ディープトレンチアイソレーション(DTI)と呼ばれる新しいピクセルアイソレーションテクノロジーを導入することで従来までのRGBWセンサーの欠点を克服したとしています。
連続光学ズーム
一般的にペリスコープ型の望遠レンズは、複数のレンズを横向きに配置しプリズムで90度光を曲げることで高倍率の光学ズームを実現しています。ただし、レンズ数が増えればセンサーの受光量も減少するため被写体にズームインすればするほど写真は暗くなり画質も劣化します。(※例えば、「Galaxy S21 Ultra」は光学3倍望遠がF2.4なのに対し、光学10倍望遠はF4.9)
この問題を解決するためにOPPOは、85mmから200mmの連続光学ズームを発表しました。
同社は、G + P(ガラス+プラスチック)レンズ技術でより優れた光学ズームを実現しつつ、トンネル磁気抵抗センサー(TMR)を使用することで、レンズをより正確に安定して動かすことができるとしています。
つまり、一つのレンズで複数の焦点距離に切り替えることができるため、デジタルズームやトリミングを必要とせずに85-200mmの焦点距離をサポートし、ポートレートから望遠まで明るく鮮明な光学ズームを実現します。
SONYは同様の問題を解決するために、「Xperia 1 III」にて可変式望遠レンズを採用。
「Xperia 1 III」の場合、光学レンズを70mm相当と105mm相当を切り替えて使用することで一つのレンズで光学2.9倍と光学4.4倍を実現しています。
SONYはこれを「可変式望遠レンズ」と呼んでいますが、一つのレンズで複数の焦点距離を切り替えられる点ではOPPOの連続光学ズームと似たような機構になります。
5軸光学式手ぶれ補正(OIS)
そして、ハードウェアレベルでの5軸光学式手ぶれ補正(OIS)を発表この機能をONにすると、ジャイロスコープが手ブレデータを取得し、独自のアルゴリズムを使用して手ブレデータを分析し、レンズとセンサーに搭載されたそれぞれの可動コンポーネントに手ブレデータを送信。
すると、レンズ側とセンサー側の計2つの可動コンポーネントが駆動し、手ブレを補正します。
5軸光学式手ぶれ補正(OIS) は一般的な光学式手ブレ補正(OIS)と比較して、補正能力が65%向上し、補正精度は3.5倍向上。また、最大手ぶれ補正角度は±3°に達するとしています。
画面下インカメラ
OPPOは8月4日に「画面下インカメラ技術」を発表したばかりですが、同社米国研究所がこの技術を最適化するために、回折低減、結露防止、HDR、AWB(自動ホワイトバランス)などの一連のAIアルゴリズムを開発したことを明らかにしました。つまり、前回発表した 「画面下インカメラ技術」にこのAIアルゴリズムが加わることにより、より明るく高画質な撮影ができるとしています。
Xiaomiが「Mi MIX 4」、Samsungが「Galaxy Z Fold 3」にて画面下インカメラを搭載していますが、OPPOは自社が最高の画面下インカメラ技術を有していると述べていました。
同時にカメラに関する4つの新技術を発表したOPPO。いずれも最新のテクノロジーおよびソリューションであり、商用化されるが非常に楽しみです。
採用されるとしたら同社の次期フラグシップ機「OPPO Find X4 Pro」または「OPPO Reno7 Pro+」であることが濃厚でしょう。
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