HUAWEIは、同社スマートフォン事業の立て直しを図るべく、米国から課されている禁輸措置を回避する策を模索中であると米Bloombergが報じています。
Bloombergによりますと、HUAWEIは同社製スマートフォンの設計デザインに関するライセンスをサードパーティ企業に付与し、そのサードパーティ企業がライセンスに基づき、スマートフォンの設計を行い、新たな端末名で市場に売り出すという制裁回避策が進められているようです。
HUAWEIは禁輸措置の対象となっていますが、HUAWEIがライセンスを付与したサードパーティ企業は禁輸措置の対象とはなっていません。そのため、そのサードパーティ企業は米国から部品を調達できる他、GMS(Google モバイルサービス)を搭載することも可能です。
一方、HUAWEI側は制裁措置を回避しながら自社デザインのスマートフォンを間接的に製造・販売できるようになり、ライセンス収入を得ることができます。
上記報道を裏付けるような動きが、既に中国市場にて確認されています。
11月初頭に中国のTD Tech社が「TD Tech N8 Pro」と呼ばれるスマートフォンを発売しています。
スペック・デザイン共にHUAWEIが2020年12月に発表した「HUAWEI nova 8 Pro」と全く同じで、背面パネルのブランド名だけが「TD Tech」と変更されています。
HUAWEIは制裁措置の影響で5Gチップを調達することができず、同社フラグシップ機の「HUAWEI P50 Pro」ですら5G非対応の4Gスマートフォンとして発売していますが、 「TD Tech N8 Pro」はKirin 985を搭載し、5G通信に対応します。また、同端末はOSにAndroid 10が搭載されています。
さらに、TikTokでは明らかに「HUAWEI Mate 40」シリーズと見られるスマートフォンがTD Techブランドとして製造が行われているとリークされています。
気になる点としては、本家にはカメラ部分にLeicaの文字がありましたが、 TD Techブランド版ではLeicaロゴが削除されています。
加えて、TD Tech社がリリースを計画している製品リストもWeibo上に共有されています。上記によると、特定のHUAWEIブランドのスマートフォンだけでなく、スマートウォッチやタブレットの製造・販売も計画しているようです。
正に制裁措置の抜け道を付いたような回避策ですが、米国は静観するのか、はたまた何らかの動きを見せるのでしょうか。
また、現在 TD Tech社は「TD Tech N8 Pro」を中国市場にて販売中ですが、グローバル市場でも販売されるようになった場合、GMS搭載が本当に実現できるのかも注目です。
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