HUAWEIは、「Harmony OS 2」の発表会終盤に次期フラグシップモデル「HUAWEI P50」シリーズの筐体デザインを始めて公式に明らかにしました。ただし、Consumer Business Groupのリチャード・ユーCEOは、P50シリーズの発表時期はまだ決まっておらず、鋭意開発中であることを明らかにしました。
前モデル「HUAWEI P40」および「HUAWEI P30」シリーズはいずれも3月にグローバル発表が行われており、最新モデル「HUAWEI P50」シリーズの発表が大幅に遅れていることが伺えます。
この原因は、独自OSの「Harmony OS」をプリインストールして出荷する予定でOSの完成を待っていた。独自SoCの「Kirin」の調達に苦労していた。などが挙げられますが、どうやら世界的な半導体不足の影響によりQualcommの新チップ開発・製造が遅れていたことが大きな要因だと伝えられています。
HUAWEI製品を中心にリーク情報を提供するリーカーのTeme(特米)氏は、以前より「Snapdragon 888 4G」の存在を唱え、それがHUAWEI P50シリーズの発表日が明らかにされない理由だとしています。
また、著名リーカーの数码闲聊站氏もQualcommがSnapdragon 888 4G版をリリースし、HUAWEIに提供されることを示唆しています。
Qualcommが5G需要の高まっている現状で、ハイエンドSoC Snapdragon 888の4G通信版をわざわざ開発する必要性や、HUAWEIの独自SoCであるKirinが採用されない点は違和感を感じますが、HUAWEIを取り巻く現状を考慮すると納得もできます。
HUAWEIは米国政府による禁輸措置の影響で、同社のスマートフォンに搭載されるSoC「Kirin」の製造を委託していた、台湾半導体ファウンドリTSMCとの取引停止により、新たに高度なプロセスルールを使用したKirinを製造することができません。
一方、禁輸措置の最中に、Qualcommは半導体をHUAWEIに出荷するためのライセンスを米国政府から取得していますが、このライセンスは4Gチップのみが対象で5Gチップを対象外となっています。
つまり、現状ではHUAWEIが新たにハイエンドSoCを調達するには、Qualcommから4G通信のみのハイエンドSoCを調達するしかないということです。(※Kirin 9000の在庫がある場合では、この限りではありません。)
この需要に応えるために、Qualcommは最新のハイエンドSoC Snapdragon 888の4G版を開発し、HUAWEIに供給する準備をしていた模様です。
HUAWEIのフラグシップシリーズにQualcommのSoCが搭載されるのは違和感がありますが、この方法が現状考えられう最も濃厚なハイエンドSoCの調達手段なのかもしれません。
なお、HUAWEI P50シリーズの発表日は明らかにされていませんが、リーク情報では7月29日と伝えられています。
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