
Huaweiは、GoogleのAndroidOSに変わる自社製の独自OS「Harmony OS 2」の発表イベントを予告通り「6月2日」、グローバルに向けてオンラインにて開催しました。

アメリカによる制裁措置からAndroidOSやGoogleのサービスが利用できなくなってから苦しい状況が続いていたHuaweiですが、反転攻勢のための準備が整ったという状況を迎えたようです。
独自OSが完成し、グローバルに向けた発表会を開催してもサービス面の拡充やサードパーティのアプリやサービスの対応が進まなければ苦しい状況であることには変わりはありませんが、そんな状況を覆すための重要な基幹パーツになるのがこの独自OS「Harmony OS 2」となるのでしょう。
この独自OS「Harmony OS 2」ですが、Huawei製のスマートフォン、タブレットに搭載するのはもちろんですが、スマートウォッチやスマートスピーカーといったスマートデバイス、そしてTVや家庭内のIoTデバイス全般をターゲットとして製品やサービスの展開を計画しているようです。

さっそくスマートフォンでは「HUAWEI Mate 40 Pro」、「HUAWEI Mate 40E」、「HUAWEI Mate X2」、「HUAWEI nova 8 pro」といった製品群に「Harmony OS 2.0」の搭載を進めていくとしています。

タブレットでも新しい「HUAWEI MatePad Pro」を「Harmony OS 2」搭載製品としてあわせて発表しています。

また、スマートウォッチでは4年ぶりにモデルナンバーを上げた「HUAWEI WATCH3」の発表と「Harmony OS 2」の搭載をあわせて発表しています。

発表イベントの紹介ムービーを見ていると、OS単体としての完成度も高くAndroidOSで実現していることは大体実現しているように見えます。
スマートフォン、タブレットそれぞれ単体としての使い勝手はもちろん、複数の製品を相互に連携させることでスマートウォッチで表示している内容をスマートフォンに、スマートフォンに表示している内容をタブレットに移すといったようにスクリーンを拡張していくことで利便性を向上させていくことを強く意識しているようです。

OSレベルで各種製品との連携機能を強く意識しているのはGoogleと違ってスマートフォン、タブレット、PCなどの最終製品を開発、販売しているメーカーであるからこそと言えそうです。
このあたりは同じように最終製品を開発、販売しているAppleのiPhoneとiPad、そしてMacとの連携に近いものを感じます。

また、IoTデバイスのと連携も強く意識しており、家の中ではスマートフォンの表示内容をノートパソコンや大画面TVに表示し、外出時は車のナビモニターに表示を移すといった複数のモニターとの連携を可能とするようです。

また、モニターのついているTVやパソコン以外のIoTデバイス、冷蔵庫や電子レンジといった家庭内の白物家電製品とも容易に連携することを目指しているようです。
いずれも対応製品やサービスの拡充具合によって実現するスピードは変わってくるため、いきなりすべてのがつながるわけではありませんが、発表イベントの内容を見ている限りではかなり野心的な製品に仕上げてきていると推測することができそうです。

Googleのサービスに変わる独自のエコシステム「HMS」(Huawei Mobile Services)への参加企業を増やしつつあるように「Harmony OS 2」への対応を表明するメーカーやサービス提供会社も今後増えていく可能性は高そうです。
AppleのiPhoneが非常に強いことと、シェアが低いサービスへの乗り換えには慎重な傾向がある日本国内への展開は少し時間がかかるような気もしますが、中国の圧倒的な人口を背景にグローバル市場で存在感を発揮することができれば、日本国内にも遠からず参入してくることは予想されるため、今後の動きは要注目と言えるでしょう。