制裁措置が緩和されるどころか、強化され続けているHUAWEI
9月15日以降からは、半導体生産受託大手のTSMCからの納品がストップされます。
そして、8月30日 Ming-Chi Kuo(郭明錤)氏がTFI(天風国際証券)のWeChat公式アカウントにて、HUAWEIのサプライチェーンに関する分析レポートを発表。
レポートによると、「HUAWEIがなんとかして9月15日以降も部品を調達できたとしても、同社の競争力と市場シェアは低下し、最悪の場合スマートフォン市場から撤退することになるだろう。」分析されています。
Ming-Chi Kuo氏は、Appleの未発表製品を正確に予測することで有名だったアナリストで、その後、複数の証券会社に渡り、現在は香港の証券会社 TFI(天風国際証券)に勤務し、スマートフォンメーカーの分析レポートを投資家向けに公開している人物です。
彼の分析レポートは、非常に信頼されており投資判断の1つとして重宝されているものです。
では、実際にHUAWEIがスマートフォン事業を撤退する可能性はあるのでしょうか。
答えなどありませんが、個人的にはNOだと思っています。
HUAWEIは、2020年第2四半期において世界のスマートフォン出荷台数は前年同期比16%減少しているものの、Samsungを抜いて世界シェア20%を獲得。
史上初めて、世界1位のスマートフォンメーカーとなっています。
この躍進に裏側には、愛国心が刺激されHUAWEI支持の世論が高まったことでの中国国内市場でのシェア向上が要因となっています。
たとえ世界シェアが減少したとしても、中国国内で大きなシェアを持つHUAWEIがすぐに撤退することは考えにくいでしょう。
ただし、いくら人口の大きな中国市場と言えども市場の飽和による限界があるたえ、長期的な目線ではMing-Chi Kuo氏の主張も納得です。
また、レポート内ではHUAWEIの市場シェアが縮小することで他社に及ぼす影響にまで言及されていました。
HUAWEIのスマートフォンに採用される各部品は他のAndroidスマートフォンと比較して遥かに高い要件が設定さています。
特に、カメラ(SONY、TDK)、HDI(Ibiden)、ストレージ(Samsung、Hynix)、5Gチップ(Qualcomm、MediaTek)に求める技術要件が高く、注文数も非常に多いです。
しかし、HUAWEIの競争力が低下した場合、注文数が大きく下がりそれぞれの部品を納品するメーカーの売上を大幅に下げること。
これに加えて、HUAWEIの市場シェアが下がれば、同社は革新的な技術を搭載したスマートフォンを開発できなくなると分析。(多くの研究開発費や各部品の単価が高いため)
そのため、各部品メーカーの技術レベルの成長が鈍化するだろうと述べています。
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