スマートフォンのカメラ性能を評価し、スコアを付ける第三者機関としてDxOMarkというサイトが存在します。
メーカーは彼らが付けるスコアを使用して、製品のカメラ性能を訴求するほどの影響力を持ちます。
今までは静止画と動画をリアカメラとインカメラでスコアを付けていましたが、2019年10月10日より新たに「Audio」の項目が追加されました。
DxOMark Audioの導入とテスト方法について
導入までの経緯
DxOMarkは、「近年スマートフォンでのオーディオコンテンツの記録および消費が増え、オーディオ品質の重要性は大幅に高まっています。しかし、音質を気にする方に向けた情報はほとんどありません。」と述べています。
これが、DxOMark Audioを導入する最大の理由とのこと。
DxOMark Audioのテスト方法
DxOMarkは、スマートフォンのオーディオ録音と出力品質に関する包括的かつ中立で信頼できるテストデータを消費者に提供するとしています。そのために、一連のプロトコルを開発し、信頼性と再現性のある方法でテストを行っているとのこと。
(現時点では、DxOMarkはスマートフォンの内部スピーカーの再生パフォーマンスのみをテストしており、ヘッドフォンまたは外部スピーカーと接続したときのパフォーマンスはテストしていません。)
DxOMark Audioのテストとスコアリング
DxOMarkは客観的テストと知覚的テストの両方を使用してスコアリングを行っています。客観的テストでは、スペクトログラムやサウンドレベルメーターなどの機器を使用して結果を測定。
知覚的テストでは、幅広い業界のオーディオエンジニアリングとオーディオインダストリアルデザインの分野で長年の経験のある専門家が測定。
この知覚的テストは、主観的な評価のように感じるかもしれませんが、DxOMarkは科学的であると主張しています。
DxOMarkは、「当社が開発したプロトコルにより知覚測定の経時的一貫性が保証されます。つまり、同じデバイスを数カ月後に同じテストをしても同一の結果が得られます。」と述べています。
この理由で、科学的と主張するのは無理やりな印象も受けますが、、、
DxOMark Audioのラボ
オーディオのテストを行うにあたり、専任のチームを作成し、彼らは電子工学・ソフトウェア光学・音響設計のスペシャリストで結成されています。また、テストは1つのスマートフォンにつき最大1週間実施し、無響室とリスニングルームの2つの主要な環境でテストを実施しています。
無響室は、音波を完全に吸収し、外部ノイズから隔離されます。
テスト端末をマイクと一緒に配置し、密閉し、マイクとセンサーを使用して結果を記録します。
また、録音機能を測定する際の様々なユースケースをシミュレートするスピーカーも設置しています。
リスニングルームは測定者とテスト端末の周囲にスピーカーを設置
同一レイアウトで配置されたマイクを使用して、特定の環境を再現するとともに典型的なユースケースを再現しています。
DxOMark Audioのスコアが公開された端末
まず、テストが行われたのは、iPhone 11 Pro MaxおよびXS Max、Samsung Galaxy Note 10+およびS10 +、Honor 20 Pro、Huawei Mate 20 X、Sony Xperia 1の5つの異なるブランドの7つのデバイスになります。このランキングでは、「HUAWEI Mate 20 X」の音質の高さが目立ち、「Xperia 1」の低さが目立ちます。
新しく実施されたスコアリングであるため、スコアの信頼性については疑問が残りますが、今後も新しい端末が追加される予定とのことです。
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