6月2日にグローバル市場に向けて独自OS「Harmony OS 2.0」を発表したHuaweiですが、その発表会の中で「Harmony OS」を飛躍させるためのキラーデバイスの1つとしてHuaweiのスマートウォッチの新モデル「HUAWEI WATCH 3」シリーズ2機種を発表しました。
スマートウォッチもスマートフォンがそうだったように性能向上とバッテリー持ちの改善が進むことで市場の広がりを見せている製品の1つです。
Appleの「Apple Watch」、Samsungの「Galaxy Watch」と並んでHuaweiの「HUAWEI WATCH」はスマートフォンメーカーとしてスマートウォッチ市場に早くから力を入れていたシリーズモデルですが、今回の「HUAWEI WATCH 3」ではこれまでのマイナーバージョンアップや派生モデルとしての新モデルではなく、「4年ぶり」にモデルナンバーを「2」から「3」にメジャーバージョンアップを行ったモデルの発表としています。
前モデルまでのコンセプトであった円形のディスプレイによるクラシックな時計としてのデザインとデジタルを融合させたスマートウォッチとしての立ち位置を引き続き踏襲しながら、今モデルではApple Watchの「デジタルクラウン」のようなリューズを新たに搭載しました。
リューズの搭載でよりクラシックな時計のデザインとの融合が進むとともに手が濡れていたり、手袋をはめている場合など画面のタッチ操作が難しいシーンでもリューズをまわすことによってスクロールなどの操作が行えるようになります。
Apple Watchユーザーにとってはデジタルクラウンは既に搭載している部品であり、何をいまさらと思う方もいるかもしれませんが、Apple Watchのスクエア型のディスプレイはいかにもスマートウォッチというデザインになっており、クラシックスタイルの時計のフォルムを好むユーザー層にとっては「HUAWEI WATCH 3」はかなり魅力的に映るでしょう。
スマートフォンにも対応モデルが増えつつある「eSIM」に対応しており、スマートフォンやWi-Fiを経由することなく、「HUAWEI WATCH 3」単体で通信機能を利用することができるモデルになっています。
「HUAWEI WATCH 3」がそのポテンシャルをフルに活かそうとすると「Harmony OS」を搭載したスマートフォンやタブレットを保有するのがもっとも効果的と言えますが、そこまでしなくてもスマートウォッチ単体でも十分魅力的な製品に仕上がっているようです。
健康管理機能では、24時間継続して心拍数、血中酸素濃度(SpO2)を計測し、ストレスレベルの計測や睡眠レベルのトラッキング機能も前モデルまでと同様に搭載しています。
24時間継続して心拍数、血中酸素濃度(SpO2)を計測しながら3日間連続使用することができるバッテリー持ちを実現しています。
また、今回新たに搭載された高精度温度センサーにより皮膚温度を計測する機能が新たに追加されています。
心拍数や血中酸素濃度(SpO2)をトラッキングするスマートウォッチはライバルメーカーのスマートウォッチにも搭載されている例が多く存在しますが、意外にも体温測定を行えるスマートウォッチは見当たらないため、街中のいたるところで体温測定を求められるコロナ時代には血中酸素濃度(SpO2)の計測機能と同様に重要なセンサーの1つになるのではないでしょうか。
反面、少し残念に感じるのが大幅なメジャーバージョンアップを実現しておきながら、Apple WatchやGalaxy Watchでは次世代モデルもしくは次々世代モデルで搭載されることが噂されている血糖値測定機能や血圧測定機能といった健康管理機能は搭載されなかったようです。
スマートウォッチとしてはかなり長時間のバッテリー持ちを実現し、クラシックな時計デザインとの融合、ライバルにはない皮膚温度センサーによる体温計測機能を搭載した「HUAWEI WATCH 3」シリーズは2モデルの展開となります。
標準モデルの「HUAWEI WATCH 3」は、ストラップと本体のカラーリングの違いからシリコンストラップを採用したスポーツタイプの「Active」、レザーバンドを採用したクラシックな時計タイプの「Classic」、メタルバンドを採用した「Elite」の3パターンから選ぶことができます。
バッテリー持ち時間は4G利用時で各種センサーをONにした標準的なスマートフォンの使い方で「3日間」利用することができます。
4G通信をOFFにしたスタミナモードであれば、「最大14日間」も利用することができます。
さらに上位モデルの「HUAWEI WATCH 3 Pro」も存在しており、上位モデルでは時計本体はチタン製、ディスプレイの保護ガラスは「サファイアガラス」を採用するなど、よりクラシックな時計に近づく構成となっておいます。
なお、ストラップのタイプによってクラシックな時計タイプの「Classic」、メタルバンドを採用した「Elite」の2パターンから選ぶことができます。
バッテリー持ち時間は上位モデルではさらに長く利用することができ、4G通信をONにした標準モードで「5日間」、4G通信をOFFにしたスタミナモードで「最大21日間」も充電なしで利用することができるそうです。
日本国内のHuaweiのサイトにはまだ「HUAWEI WATCH 3」シリーズの記載はなく、販売予定も今のところ空白なのでしょう。
いつから日本国内で販売されるのかは今のところ全く不明ですが、非常に魅力的なスマートウォッチに仕上がっており、Huaweiのスマートフォンを利用していない「HarmonyOS」搭載スマートフォンを利用する予定のない方にとっても購入を検討する価値のあるスマートウォッチと言えるでしょう。
AndroidOSやGoogleのサービスが利用できなくなっている世代のHuaweiスマートフォンのユーザーにとってはスマートフォンのOSを「HarmonyOS」に切り替えることでさらに連携機能が強化されるため、もはや「HUAWEI WATCH 3」を選ばない理由が存在しないのではないでしょうか。
日本国内での取り扱い開始が今から非常に楽しみなスマートウォッチと言えるでしょう。
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