中国TD Tech社は5月10日、中国市場にて新型スマートフォン「TD Tech M40」を正式発表しました。
上記が「TD Tech M40」の筐体デザインです。さて、HUAWEIが2020年10月に発表したフラグシップ機「HUAWEI Mate 40」と非常に似た筐体デザインとなっています。
デザインの違いとしては、カメラ部にLeicaロゴがないことと、背面ロゴがHUAWEIからTD Techに変更されていることです。
また、筐体サイズと重さは2機種とも158.6 x 72.5 x 8.8 mm、188gで寸法まで全く同じです。
TD Tech M40は、HUAWEIの新型スマートフォンと言われても気付かないほどにそっくりな筐体デザインですが、5Gに対応するというHUAWEI製スマートフォンではあり得ないスペックを有しています。
言うまでもありませんが、HUAWEIは米国からの禁輸措置により5G関連機器を調達することができず、同社フラグシップ機の「HUAWEI P50」シリーズですら、5G非対応の4Gスマートフォンとなっています。
では、なぜ「TD Tech M40」は5Gに対応することができたのでしょうか。
HUAWEIは同社製スマートフォンの設計デザインに関するライセンスをサードパーティ企業に付与し、そのサードパーティ企業がライセンスに基づき、スマートフォンの設計を行い、新たな端末名で市場に売り出すという制裁回避策が進められていると以前より伝えられていました。
HUAWEIは禁輸措置の対象となっていますが、HUAWEIがライセンスを付与したサードパーティ企業(今回の場合はTD Tech社)は禁輸措置の対象になっていません。そのため、そのサードパーティ企業は5G関連機器を調達できる他、GMS(Google モバイルサービス)を搭載することも可能となります。
一方、HUAWEI側は制裁措置を回避しながら自社デザインのスマートフォンを間接的に製造・販売できるようになり、ライセンス収入を得ることができるというわけです。
この制裁回避策で誕生したのが今回発表された「TD Tech M40」でしょう。
(※HUAWEI および TD Techは、ライセンス付与に関する声明を発表しておらず、建前上は2社に何ら関係が無いことになっています。)
TD Tech M40は、MediaTekの5G対応SoC「Dimensity 1000+」を搭載し、メモリは8GB、ストレージは128/256GBを備えます。(※HUAWEIの独自外部ストレージ NMカード対応 最大256GB)
画面は6.5インチ 60Hz駆動のOLEDディスプレイを搭載、バッテリー容量は4,200mAhを備え、40W急速充電と40Wワイヤレス充電に対応します。
リアカメラは、6400万画素 メイン、1600万画素 超広角、800万画素 望遠のトリプルカメラ、インカメラは1300万画素を搭載します。
その他、IP53の防水防塵に対応、ステレオスピーカー搭載、イヤホン端を搭載。
OSはAndroid 10ベースのHarmonyOS 2.0を搭載。カラーはホワイト、シルバー、ブラックの3色が用意されています。
価格は、下記の通り。
- 8GB+128GB:3,999元(約66,000円)
- 8GB+256GB:4,499元(約87,000円)
一方、この制裁回避策で5G対応が実現できたのなら、TD Techがグローバル版を発売する場合、GMSを搭載させることも理屈としては可能となります。
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