Huaweiから独立したHonorは同社初となるフォルダブルスマートフォン「Honor Magic V」を「1月10日」に発表し、「1月18日」から中国国内にて販売が開始されました。
既にフォルダブルスマートフォンの開発実績があるHuaweiやSamsungと異なり、初の商用モデルのリリースということでどこまで作りこみができてるのだろうかと注目を集めていますが、発表内容を見ると折り畳み時でも厚さは14.3mmと薄く、独自の「スリムフローティングウォータードロップヒンジ」により折り畳み部に隙間を作ることなく、ディスプレイにも折り目が発生しない構造を実現するなど、初代モデルと思えないほどの完成度に達しているようです。
単に完成度が高いだけでなく、外側のディスプレイは6.45インチでエッジ部までディスプレイとし、アスペクト比も「21.3:9」とフォルダブルスマートフォンではない従来型スマートフォンと変わらない使い勝手を実現しています。
カメラは5000万画素のトリプルカメラを搭載し、初のフォルダブルスマートフォンだからといってカメラ機能にも一切の妥協せず、通常タイプのスマートフォンと変わらないレベルの性能を満たしていると言えます。
その上、SoCには最新の「Snapdragon 8 Gen 1」を採用しており、発売時期が異なることを考慮したとしても、先行するライバルモデル「Galaxy Z Fold 3」にスペック面で全く負けていない、むしろ多くの部分で「Honor Magic V」の方が優っているように見えます。
スペック面以外でもカラーバリエーションがスペースシルバー、バーントオレンジ、ブラックの3色展開となっていますが、単にカラーリングが異なるだけでなく、カラーごとに異なる背面仕上げを行っており、折り畳み部のヒンジの隙間を作らない構造といい、デザインに対する強いこだわりを垣間見ることができます。
ブラックは一切模様がなく、大人のシンプルさを感じる様な仕上げに、スペースシルバーはリモワなどのアルミ製スーツケースを思わせるリブ加工のような模様が施されています。
さらにバーントオレンジはまた全く異なるレザー素材が背面パネルに使用されており、元親会社のHuawei の「Huawei Mate 30 Pro」のビーガンレザーモデルを思わせるようなデザインに仕上がっています。
3色のカラーそれぞれにこだわりのデザインが施されていることからどのカラーを選択しても非常に満足度が高いのではないかと想像してしまいます。
折りたたんだ状態の外部ディスプレイのアスペクト比が「21.3:9」と通常タイプのスマートフォンと同程度の縦長タイプになっていることから、開いた状態で利用できる内側の7.9インチメインディスプレイのアスペクト比は「10.3:9」とほぼ正方形に近い形になっているため、動画やゲームなどのコンテンツ表示については画面をフル活用するのは難しそうに感じます。
ただ、この問題は「Honor Magic V」固有の問題ではなく、ライバルの「Galaxy Z Fold 3」でも抱えている横開きタイプのフォルダブルスマートフォン共通の問題とも言えるでしょう。
あと気になるところが価格面ですが、スペック面を見る限り「Galaxy Z Fold 3」をも上回るフォルダブルスマートフォンの最高峰と言えそうなモデルだけに当然お安くはありません。
ストレージ容量256GBモデルで「9,999元」(日本円で約18万円)、ストレージ容量512GBモデルで「10,999元」(日本円で約19万7,000円)となっています。
確かにお安くはないですが、元親会社のHuaweiが販売している「HUAWEI Mate X2」が「17,999元」(日本円で約32万円)、発売時期やスペックから直接競合する「Galaxy Z Fold 3」が「14,999元」(日本円で約27万円)となっていることを考えると、どちらの機種よりも性能は上を行ってるにもかかわらず価格は低く設定されており、フォルダブルスマートフォンのフラグシップモデルの中ではお買い得とも言えそうです。
「Honor Magic V」 は現時点では、中国国内のみでの発売となっており、日本はおろかヨーロッパなどグローバル市場にへの投入予定にも言及されていません。
Honorは、HUAWEIから独立したことによりグローバル版ではGMS(Googleサービス)の搭載が復活。また、昨年9月にはMicrosoftと戦略的パートナーシップを締結し、グローバル市場の拡大を狙っていくとしています。
その足掛かりとして、現時点の折りたたみスマートフォン最高スペックと言える「Honor Magic V」を是非ともグローバル展開してほしいところです。
価格 | 12GB+256GB:9,999元(約18万円) 12GB+512GB:10,999元(約19万7,000円) |
OS | Android12(Magic UI 6.0) |
サイズ | 縦:160.4mm 横:72.7mm(展開時141.1mm) 厚さ:14.3mm(展開時6.7mm) |
重さ | レザーパネルモデル:288g ガラスパネルモデル:293g |
カバーディスプレイ | 6.45インチOLED 2560×1080 60Hz |
メインディスプレイ | 7.9インチOLED 2272×1984 120Hz |
メインカメラ | トリプルカメラ 5000万画素(広角・F1.9) 5000 万画素(スペクトル拡張・F2.0) 5000万画素(超広角・F2.2) |
フロントカメラ | シングルカメラ 4200万画素(F2.2) |
CPU | Snapdragon 8 Gen 1 |
メモリ | 12GB |
ストレージ | 256GB・512GB |
外部ストレージ | なし |
バッテリー | 4,750mAh 66W急速充電 |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | 5.2 |
生体認証 | 指紋認証(側面) |
防水防塵 | 非対応 |
NFC | 対応 |
接続端子 | USB type-C(USB3.1) |
カラーバリエーション | スペースシルバー バーントオレンジ ブラック |
SIM | nanoSIM |