スマートフォンメーカーは、ノッチを廃止し画面占有率を高めることでユーザー体験の向上を狙っています。
その解決策としてこれまで”パンチホール”や”ポップアップ”が提供されています。
そして、SONYの新たな取り組みが明らかになりました。
SONYは、2018年11月に日本にて携帯型電子機器の制御に関する実用新案を申請。
そして、2020年5月14日に公開され、WIPO(世界知的所有権機関)のデータベースに掲載されました。
この特許は今までの中国メーカーのポップアップ技術とは異なり、音楽にも力を入れるSONYらしい技術となっています。
「Mi 9T」や「vivo NEX 3」のようにインカメラ部分のみが昇降する仕組みがこれまでの主流でしたが、SONYが取得した特許はデバイスの上部と下部の全てが昇降します。
SONYは、上部の昇降を”ポップアップ(カメラ)”、下部の昇降を”ポップダウン(スピーカー)”と名付けています。
上部には、インカメラとスピーカーが格納
下部には、スピーカーが格納されており、インカメラ撮影時にはポップアップが起動し、音楽再生時にはポップアップとポップダウンの両方が起動するようです。
また、上下のパーツはそれぞれ独立して昇降が可能で使用状況に応じて自動的にアクティブになるとのこと。
スピーカーを格納することにより、これまでのスマートフォンのスピーカーよりも物理的に大きなスピーカーを搭載することが可能となるため、音質は間違いなく上がることでしょう。
さらに、特許文献の中には「音源の動きに応じて昇降の幅が変化する」と記載されています。
つまり、横持ちで映画を見ている際、右側からの音を強調するシーンで右側の昇降幅を広くして音の没入感を高めると言った機能が想像できます。
しかし、技術のみで記載であるため、どのようにこの技術が活用されるかは不明です。
昨今のXperiaは21:9のアスペクス比が印象的です。
通常でも細長いのに、上下の昇降が起動すると更に細長くなります。
この点で、操作性に影響を与えないのか?
上部だけでなく下部の昇降もあるので、端末内のスペースを圧迫しないのか?
(5G対応により、5Gモデムを搭載する必要があり既に端末内スペースを圧迫している背景があります。)
また、ポップアップを採用すると防水防塵は事実上不可能になります。
防水への需要が高い日本ユーザーが多いのに、SONYは防水を捨てるのか?
多くの疑問点があるため、実際にSONYがこの技術を採用したスマートフォンを製品化するかどうかは不明です。
しかし、SONYのこの技術をWIPOに公開されたことは事実です。想像を膨らませて次期Xperiaの登場を楽しみに待ちましょう。
source WIPOに掲載されたSONYの特許文献
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