ソニー株式会社は10月28日、2020年度第2四半期連結決算を発表しました。
2020年第3四半期のXperiaの出荷台数は60万台
2020年第1四半期の出荷台数は40万台とXperia史上最も最悪の数字を記録しましたが、第2四半期で80万台を出荷し、第3四半期で60万台の着地。
第3四半期の60万台は、第2四半期の80万台と比較すると減少していますが、前年同期比で見ると同一。
長年、前年同期比で出荷減となっていたことを考えると、称賛に値するかもしれません。
ただし、ソニーは2020年度のXperia出荷台数を300万台と見通しています。
第3四半期までで180万台を出荷しているため、第4四半期で少なくとも120万台以上を出荷する必要があります。
例年、第4四半期では各四半期で最高の出荷台数を記録しているため、300万台の出荷目標は射程圏内と考えられます。
次に、2020年度第2四半期連結決算を見ていきます。
(※上記、Xperiaの出荷台数は2020年第3四半期の数値ですが、以下の決算は2020年第2四半期のものとなります。)
モバイル事業を含むエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)全体で見ると、テレビの販売台数増加により売上高は前年同期比2%増の5047億円を計上。
また、2020年度の予想営業利益を、600億円から670億円に上方修正しましたが、EP&S部門の販売台数の増加ではなく、為替相場の好転によるものです。
イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)では、デジタルカメラ向けイメージセンサーの減収により、売上高は前年同期比1%減の3071億円を計上。
ただし、営業利益は498億円と265億円の大幅な減益
そのうち、175億円をスマートフォン向けの一部イメージセンサーの在庫評価減としています。
2020年度予想営業利益は、1300億円から810億円に下方修正
ここで気になるのが、棚卸資産(在庫)の評価減です。
会計処理では、決算のために在庫を資産として計上する必要があります。
その際、品質劣化などにより通常通り販売できない商品の場合は、在庫を評価減として計上することができます。
今回のソニーの場合は、明らかにHUAWEIへの出荷停止の影響でしょう。
決算説明会では、副社長兼CFOの十時氏が以下のように説明しています。
「8月17日に発表された米国政府による輸出規制に従い、中国の特定大手顧客向けの製品出荷を9月15日に停止しています。
この状況を踏まえ、今回お示しした当年度下期見通しには当該顧客向けの出荷は見込んでおりません。
なお、当四半期の営業利益には9月末に計上した当該顧客向けの製品在庫、仕掛り在庫に関する評価減約175億円が含まれています。」
「中国の特定大手顧客向け」と具体的な企業名は控えたもののHUAWEIへの出荷停止により175億円の棚卸資産の評価減。
および、2020年度の予想営業利益にはHUAWEIへの出荷は見込まず490億円を下方修正したということです。
つまり、10月時点ではHUAWEIへのイメージセンサーの出荷再開は見込んでおらずSONYにとって、490億円もの営業利益の減少に繋がる可能性があります。
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