「Galaxy Z」シリーズを日本、そしてグローバル市場で展開し、フォルダブルスマートフォンのトップランナーとして技術、市場の両方を牽引しているSamsungですが、製品化済みとなっている「Galaxy Z Fold 3」や「Galaxy Z Flip 3」の次期モデル以降のフォルダブルスマートフォン開発も積極的に進めていると言われています。
メーカーが次期モデル以降の製品開発を行うことは当然の話ですが、単なる次期モデルの開発にとどまらず、フォルダブルスマートフォンの新たな形状も含めた開発が行われていることが知られています。
「Galaxy Z Fold 3」の横折り、「Galaxy Z Flip 3」の縦折りという2つの異なる形状のフォルダブルスマートフォンを既に製品化済みのSamsungですが、折り畳み箇所を2か所に増やした「Z折り」のフォルダブルスマートフォンや、「ローラブルタイプ」や「スライダブルタイプ」といった折りたたまない形状のフォルダブルスマートフォンの開発も進めていると言われています。
そして、オランダメディアLetsGoDigitalによると、どのタイプにも当てはまらない新たな形状のフォルダブルスマートフォンの特許申請をSamsungが行っていたことが判明したと報じています。
今回明らかになった特許申請は、2021年5月に「世界知的所有権機関(WIPO)」に行われていたもので、2021年11月25日にその内容が公開されたと報じられています。
公開されたドキュメントに記載されている構造説明の図解を見ると、フォルダブルスマートフォンのディスプレイの一部がスライド機構を持っていて、フォルダブル構造を開いた後、さらに画面を引きのばし、表示エリアを拡張する「フォルダブル&スライダブル」という2つの構造を組み合わせた特許となっています。
フォルダブルスマートフォンでは、「Galaxy Z Fold 3」のような横折りタイプの場合、画面を開くことでミニタブレット並みの大きなディスプレイをスマートフォンに搭載することができていますが、縦横比が正方形に近い形となり、タブレットとして見ると横の解像度が足りないと感じてしまう方もいるでしょう。
その不足している横の解像度を「スライダブル」部分が補ってくれることで動画コンテンツなどを楽しむ際に非常に満足度が向上することが予想されます。
フォルダブルスマートフォンの泣き所として、ストレートタイプのスマートフォンと比べると重くなってしまう点があります。
フォルダブル構造にさらにスライダブル構造と拡張ディスプレイを入れることで重さにどの程度影響を与えてしまうのか、スライド機構はどの程度スムーズに展開することができるのかという点は、当然と言えば当然の疑問ですが、特許申請の内容からは読み取ることができません。
この辺りは実際に製品化を待つ必要があるでしょう。
ただ、そのような複雑な機構を持っていても、カメラやワイヤレス充電といった機能には制限を与えないように考慮していることが資料から読み取ることができます。
カメラに関しては、まだ製品化されていないものの、次期「Galaxy S22 Ultra」で採用されると言われているレンズ配置が「P型」になっているペンタカメラが図示されています。
さらにワイヤレス充電機能に関してもワイヤレスイヤホンやスマートウォッチへのリバース充電機構を備えていることがわかる図解資料も掲載されています。
特許申請の図解資料の段階であり、実際の製品には反映時期も含めてまったく不明ですが、製品化する際にはフラグシップモデルとしてこれまでのフラグシップモデルと比べて見劣りする部分はないようにしようという意気込みが見えるようです。
さらにフォルダブルスマートフォンのメインストリームとなっている横折りタイプだけでなく、カジュアル向けとなっている縦折りタイプにも「フォルダブル&スライダブル」の適用を想定している図解資料も掲載されています。
ただし、あくまでも現時点では特許申請を行ったという事実に過ぎず、実際に製品化されるかは不明です。ですが、Samsungは既存の折りたたみ機構を完成形とは捉えておらず、新たな機構を模索中であるということが今回の特許申請から伝わってきます。
果たしてこの特許申請が実際の製品として姿を現す日は来るのでしょうか。
短く見ても1年以上先の話なのでしょうが、今後ますますリーク情報も含めて「Galaxy Z」シリーズに注目していく必要がありますね。
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