デザイン家電からスマートフォン業界に参入したばかりでデザインや価格などいろいろ話題になっていた「BALMUDA Phone」を手掛けるBALMUDAが驚きの一手を打ってきました。
3月3日にBALMUDA Technologiesのニュースページにも公開されているように「BALMUDA Phone」のために開発したキラーアプリ「BALMUDA Scheduler」をGooglePlay上に一般公開したというのです。
Androidスマートフォンのスケジューラーアプリは多種多様のアプリがGooglePlay上に公開されていますが、その多くが月表示、週表示、1日表示といった表示を切り替えるには紙のスケジュール帳のリフィルをめくるように画面を切り替えるようになっています。
しかし、BALMUDAが開発した「BALMUDA Scheduler」はそういった画面切り替えという概念をなくし、スマートフォンの基本操作である「ピンチイン」、「ピンチアウト」操作によって年・月・週・時間の表示をシームレスに変更することができるアプリになっており、「BALMUDA Phone」の発表時にも大きく話題となっていました。
筆者を含め「BALMUDA Phone」に対して性能に対して価格が高すぎると、どちらかというと否定的な意見を持っている方でも「BALMUDA Scheduler」には驚きと賞賛の声を上げていたのではないでしょうか。
スマートフォンの使い勝手が大きく変わる可能性のあるアプリになるかもしれないという感想を持ったものの、利用するためには性能や画面サイズ、バッテリー容量の不便と価格の高さを我慢して「BALMUDA Phone」を購入する必要があるのかと葛藤した覚えもあります。
アプリによってスマートフォンの使い勝手は大きく変えることができる、その価値を提供するためにアプリ開発にもかなりの費用をかけたという話も様々なメディアで語られていました。
そのキラーアプリである「BALMUDA Scheduler」をGooglePlayに一般公開し、「BALMUDA Phone」以外に対して、無料で提供してしまうというのは率直に言って「どうしてしまったのか？」と大きな驚きをもって受け止めてしまいました。
実際、BALMUDAの寺尾社長への独占インタビューを行ったBUSINESS INSIDERの記事上でも社内では反対されたと語っています。
一般公開した理由として「自身が使っていていいものだからもっと多くの人に使ってもらいたくなった」ということを語っていますが、現在は価格を少し下げているとは言え、ただでさえ価格と性能のバランスが悪く、否定的な意見を寄せられることが多い「BALMUDA Phone」の強みが失われてしまうこと、無料公開ではアプリ収入による開発費用の補填もできないため、社員の方もきっと寺尾社長の判断に対して「どうしてしまったのか？」と思ったのではないでしょうか。
BALMUDAの考えるスマートフォンの使い方への提案を多くの人に知ってもらいたいという意義は理解できるものの、機能限定版として公開することや有料アプリにする方法もあったはずですが、そういった小賢しいことは考えないとでも言われそうな大胆な一手に驚くばかりです。
あえて小賢しい邪推をしてみると次はもっと驚くようなアプリを次期「BALMUDA Phone」に載せるアプリとして順調に開発が進んでいるのかもしれません。
もしそうなら「BALMUDA Phone」にとっては大きな武器を1つ失ったことになるものの、既に過去の作品であり、広くBALMUDA Technologiesの考え方、体験を多くの人に触れてもらい、いずれ発表される次期モデル、次期アプリサービスの潜在顧客になってもらうことを狙っているのかもしれませんね。
真意はどうであれ、「BALMUDA Phone」発表時に大きく話題になったスケジューラーアプリ「BALMUDA Scheduler」を多くの人が利用することでスケジュール管理などスマートフォンの使い勝手がよくなることは歓迎すべきでしょう。
GooglePlay上のアプリページにはアプリを実際に使用してみた方のコメントが早くも集まり始めています。
高評価ばかりかと思えば、こき下ろすような低評価な方もいて賛否が大きく分かれているのも興味深いところです。
筆者はアプリを入れたばかりでこれから使い込んでみようと考えていますが、まだ利用していない方で興味を持った方は一度使ってみてはどうでしょうか。
